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独占欲 / Re: tiamo 瑞樹様(1827)



「恭弥!」

いきなり部屋に入って来て、あっという間に雲雀恭弥、その人を掻き抱く。
「相変わらず細っせーな!飯食ってるか?」

いつもなら他人に動きを封じられるなんて有り得ない雲雀さんが、抵抗虚しく束縛されている。

「ちょっ…!フザケないでよ!」
こんな雲雀さんを見るのは初めてだ。新鮮だけど…

腹立たしい。

「な、な、な…」

でも心とは裏腹に何も出来ず、俺はただ驚愕するばかり。
そんな俺の言葉にならない声が聞こえたのか、その淡く甘い瞳と目が合う。

「お!ツナ〜!」

少々殴られて髪が乱れているのも気にせず、雲雀さんから離れたその両腕に捕らわれる。

「ディーノさん!?」

確かキャバッローネとボンゴレの会合は明日だった筈…

「久しぶりにツナに会えるからさ〜、仕事早めに切り上げて来たんだよ〜」

抱き締められたまま頭上からの声を聞く。このハグはいつもの挨拶だ、とはわかっているけど…
ふと見えた雲雀さんは不愉快そうにスーツの袖を払い、ドアへ向かおうとしている!

「待って、雲雀さ…!」

「何だよ〜恭弥〜!」

俺とディーノさんの言葉が重なる。

「…ボス同士で話があるでしょ」

だから退室するのは当然だ、と。

「今はプライベートだって!仲良くしよーぜ!」

「…冗談。」

今度こそ本気で行ってしまいそうだ。今まで二人きりで話をしていて、まだ途中なのに!

「雲雀さんっ!」
もう振り向かない。

「恭弥!」

でも、ディーノさんの呼びかけには振り向くんだね。

「…うるさいよ。」

溜め息混じりに呟く。

「ツナだって引き止めてるだろ〜。いつまで経ってもお前…」

「って言うか、いい加減綱吉離しなよ」

二人の言い争いまで嫉妬してしまう。喧嘩する程仲が良いって言うよね…。雲雀さんの事を沢山知ったつもりだったのに、ディーノさんに対する雲雀さんは俺の知らない姿だ。俺には見せてくれない態度が羨ましい。
だんだん腹立たしくなって来る。

「もう勝手にしなよ。」

そう言って雲雀さんがドアノブに手をかけた時…

「恭弥のバカ!」

…時が止まった。

ヤバい。勢い余って言ってしまった。
言ってしまってから、自分の発言に驚いた。
雲雀さんはドアの前で、ディーノさんは俺をハグしたままで、動きを止めた。

「…あ、いや、その…」

最初に沈黙を破ったのは雲雀さんだった。
踵を返すや否や真っ直ぐ向かって来て、ディーノさんから俺を引き剥がした。

「…誰がバカだって?」

襟元を掴まれ、引き寄せられて睨まれる。
咬み殺される恐怖に一気に血の気が引く。

「…あ、いや…」

でも次の瞬間、変なタイミングで心臓が跳ねた。
目線を上げた先、およそ15pにその顔があった。
眼光鋭いが綺麗な顔が俺を捉えている。
こんな時にときめいてる俺の方がバカじゃないか?

「き、恭弥、落ち着けよ〜」

脇ではあたふたするディーノさんがいるが、無論雲雀さんが気にする筈もない。

「しかも今まで何度言っても呼ばなかったのに、最初に呼んだのが、それ?」

そう、少し前から「恭弥と呼びなよ」と言われていたが、なかなか呼べずにいたのだ。
でもディーノさんの「恭弥」連呼を聞いていたら思わず…

「…ご、ごめんなさ…」

「ボスが容易く頭下げるんじゃないよ」

静かにそう言って唇を塞がれる。

「これからも名前、呼びなね」

離れ際に囁いて、口角を舐めながら不敵に笑うのは反則です。
でも今度こそ立ち止まらず退室してしまった。

「相変わらず短気だよな〜恭弥はさ〜!ツナ、大丈夫だったか?」

キスしたのはディーノさんからは死角だったようで、溜め息混じりに苦笑するから思わずつられて苦笑してしまう。
きっと今のはディーノさんが知らない雲雀さん。
否、俺の恭弥。
何だかちょっと優越感。

「ちょっと待ってて下さい」

ディーノさんを残して部屋を飛び出し、先を行くその後ろ姿に抱き付いた。
すっごく嬉しい気持ちが抑えきれなかった。

「大好きだよ、き、恭、弥…」

返事は甘い甘いキス。


そしてしばらくして気付いた事。
「雲雀さん」で恭弥は振り向かなくなった。返事もしない。
「恭弥」と呼ぶとキスをくれる。
そんな徹底ぶりを俺は愛おしいと思っている。

美しく気高い獣の我が儘に俺は独占されている。

終。





















雲雀さん、実は「恭弥」って呼ばれて無茶苦茶嬉しかったと思われます(笑)
しかもディーノさんは二人の関係に気付いてないと思われます。

すいさんと綾に影響を受けて話が浮かんだらディーノさんが笑ってました。
ディーノさんの位置が好きです。
いや、無論ヒバツナも大好きですよ!

駄文ですが有り難くもサイト掲載したいとの話なので、献上させて頂きます。
これからもサイト運営頑張って下さいっ!
(瑞樹)




†††††††††††

水原すい様より戴いたお話に影響を受けて書かれたss!
送られてきたのをいいことにまたもや強奪気味に掲載許可を戴いた桜井(笑)

瑞樹の書く雲雀さんは俺様ツンデレなので、本当に男らしい………襟を掴んで迫られたら、恋人でも怖いです(笑)で、も、萌えるんですー!

ディーノさんがいて嫉妬するツナかわいい!雲雀さんも静かに嫉妬していて、でも表に出さない………ああカッコイイ!

本当にお二人から戴いた雲ツナで充電できました!

そして快く掲載許可をしていただいてありがとうございました!


またお待ちしています!




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