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残暑(ぽーらすたー1万ヒット記念に瑞樹さまからいただきました!!)


ひまわりが枯れている。
ぎっしりと種を付けて。

緑のススキが風になびく。

虫の声が切なく響く。

まだこんなに暑いのに、秋はすぐそこまでやって来ている。
「雲雀さん!」
振り向いた彼は少し焼けているように見える。
風を受けて髪がなびく。
「やぁ沢田綱吉。」
夏休みだと言うのに校外で会うのが何だか不思議な気分だった。
「買い物、ですか?」
「…散歩。」
そう言いながら夕焼けの中に佇む私服姿はどことなく儚げに見えた。
「あ、ヒバードは…」
常に一緒にいる小鳥はどうしているのだろう、とふと思った。
「いるよ。」
雲雀が視線を向けた方向、少し離れた所から小鳥が一羽、飛んで来る所だった。
「ヒバリ、ヒバリ♪」
ちょん、と雲雀の頭に着地する。
「宿題は終わった?」
雲雀の言葉にドキリとする。
「…え、あ…ぇと…」
「早くしないと終わるよ」
そう言う雲雀が少し、笑った、気がした。
先輩である雲雀さんは、綱吉より先に卒業してしまう。
急に現実が押し寄せる。
こうして同じ時間を過ごせるのも限られている。
「雲雀さん、は…」
「宿題なんてとっくに終わってる」
確かにそうだろう。夏休みが終わる間際に毎年必死に宿題をやる綱吉や山本とは違う。
わかっているけど、余裕を見せる雲雀はどんどん先を歩いて行くようだ。
綱吉を置いて。

「…雲雀、さん」
何故だか泣ける。
「そんなに宿題が嫌なの?君、馬鹿?」
錯覚を起こして泣けたのだが、それを知らない雲雀に馬鹿と言われても反論出来ない。
確かに宿題は嫌だし。
「…うー。馬鹿、です。」
「そんな事で泣かないでよね。」
俯いた頭にぽん、と手が乗った。
驚いて顔を上げた頃には既に歩き出していた。
「じゃあね」
ヒバードは雲雀の頭の上で並盛中校歌を歌っている。
―あぁ、自分も歩き出さなければ。
そう思いながら雲雀を見送った。
秋はもう、すぐそこ、なのだから。

終。



あとがき
一万ヒットおめでとうございます☆
勝手に御祝いのつもりで捧げましたが、内容がこれっぽっちもめでたくなK…ゴッフゴフ
ごめんなさい(切腹)

秋を思うとついノスタルジックな気分になります。

これからもいっぱい萌え文章書き綴って下さい!楽しみにしています♪



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瑞樹さまからいただきました、当サイトの1万ヒット記念小説です!

わあ〜〜ありがとうございます!すごく嬉しいです!

毎日忙しいのにこうしてお祝いしてもらえて桜井は幸せ者です!
しかも瑞樹はお祝いらしくない内容だと言ってましたが私はこういうノスタルジックな切ないような話は大好きです。

夏の終わりの悲しさと秋の夕暮れに淋しくなる感じとか…うまく言えない自分がにくい(笑)


瑞樹の書く話は大好きだ!








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