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大輪が咲くまで/Re: tiamo瑞樹さま(獄にょツナと雲雀さん)


この話はツナが女の子設定になります。苦手な方は御遠慮下さい。
また女の子設定にポリシーをお持ちの方も主義に反するかもしれませんのでその旨了承の上御覧下さい。
心広く受け止めて頂ければ幸いです。





































提灯の灯りで溢れている夜の街へ。

母さんに着付けてもらった浴衣を着て、ロックなスタイルの獄寺君と歩く。
端から見たらデートしてるみたいに見えるかな。
イタリア育ちの獄寺君が日本のお祭を見た事がないと言うので、案内するつもりで一緒に夏祭りにやって来た。
浴衣は動きにくいから考えてなかったけど、母さんの提案で着る事にした。

御神輿を追いかけたり、杏飴を買ったり、ゲームに興じたり…
町内のささやかなお祭だけど、獄寺君の笑顔で安心する。(たまに他校の人と一触即発な事もあったけど…)
「…あれ、十代目、大丈夫ですか?」
人混みから少し離れた所で不意に声を掛けられる。
「…う。」
「どうしました?」
獄寺君の目は誤魔化せない。
「…ちょっと、着崩れて来ちゃって…あはは…」
既に手で押さえながら歩いていたりする。
獄寺君は勿論の事、自分だって母さんに着付けてもらったので、一から着直すなんてもってのほか。
とにかく教えて貰った手直しを試す。
「…ううぅー…」
「あの…帰りますか?」
実は着崩れた原因は獄寺君にもあったりするんだけど…。
「やだ。花火見てないっ!」
「…君達何してんの。」
ちょっと意地になっていた所に声がかかる。振り向いた先には…
「あ。」
「雲雀、テメェ!」
浴衣をさらりと着た雲雀さんが立っていた。
「こんな所で風紀を乱すと咬み殺すよ。」
「…バッ!そんなんじゃねぇよ!」
獄寺はすかさず背に綱吉を庇う。
「じゃあ何でこんな所でそんなに着乱れてんのさ。」
「…あ、あの、何かだんだん緩くなっちゃって…でも直せなくて…」
誤解をされているらしい獄寺君の陰から訴える。
出来れば喧嘩はして欲しくない。
「…ふぅん。」
興味無さそうに呟いたのだが。
「おいで」
「コラ!気安く十代目に触るな!」
スッと獄寺君を追い越して俺の手を取って暗い林側へ歩き出す雲雀さん。
「君が直せるなら良いけど、これじゃあ帰れないだろうね。」
「う…」
その言葉に固まる獄寺君。あぁ俺が浴衣を自分で着れたら…
「君は通りを向いて怪しまれないように見張ってて。」
獄寺君の背後で雲雀さんと向き合う。と、脇側から手が…
「キャッ!」
「十代目!?」
獄寺君が動く気配。
「やだ、向こうむいてて!」
こんな光景みたら喧嘩になるに決まってる。
「…うるさい。前向いてなよ。彼女をこんな目に合わせて彼氏失格じゃないの?綱吉も黙って。僕を信用しないつもり?」
「か、彼氏じゃねぇ!右腕だ!」
「…あぁそぅ。」
二人共に黙る。
常に一緒にいる獄寺と綱吉は公認カップルと言っても良いが、本人達はあくまでも右腕でありたい、友人でありたいと思っている。
でも獄寺君の発言に綱吉はちょっと残念にも思う。
黙々と雲雀は綱吉の浴衣を直して行く。
獄寺君とは違う、切れ長の目元とか浴衣から覗く白い首筋とか筋肉の浮く腕とかについ…
見とれてしまった。
浴衣を直して貰う、その近さに心拍数が上がる。
「ちゃんと立ってて。」
「…んっ。…ぁんっ」
帯を締め直して貰う際に思わず声が漏れた。
「テメ!何してやがる!」
「違うから…!」
我ながらしまったと思いながら獄寺君を制する。

「…はい」
小さく雲雀さんが言う。
浴衣はすっかり綺麗に整い、動きやすくなっていた。
「気をつけて」
立ち上がる瞬間、おでこに雲雀さんが触れた。
「あ、あぁっ、あ、りがと、ございました…」
「十代目!大丈夫ですか?」
終わったと悟った獄寺君が振り向く。
「…あ、大丈夫。」
雲雀さんは獄寺君に近づいてこそこそと耳打ちする。
わー…この絵、写メったら相当女子が食いつくのに。とボンヤリ思う。
二人とも格好良すぎる!
と、思った瞬間。
「…テメェふざけんなよ!」
って、喧嘩しないで〜!
「じゃあね沢田綱吉。」
歩き去る雲雀さんを見ながら獄寺君は不満そうだ。
「変な事されませんでしたか?」
「だ、大丈夫だよっ!直してくれただけ!」
最後におでこにチューされたとか、小鳥の飾りをくれたとか、内緒にしておこう。
「誰がくれてやるか!」
ぼそりと呟いて獄寺君は俺と突然手をしっかり繋いで歩き出す。
帯の上で小鳥と一緒に付いた鈴がチリン、と鳴った。

大空には大輪が咲き始めた頃だった。

終。









あとがき

すいさんと綾に影響されてにょツナを書いてみました。
獄ツナ前提で雲雀さんが絡んで、ツナが揺れる。何とも少女漫画的設定ですいません(笑)
良い友達であろうとする綱吉は実は獄寺が好きだし、主従関係を保とうとしている獄寺はやっぱり綱吉が好きで、風紀を守る雲雀はもしかしたら人の物を横取りするのを遊びにしているかもしれません。…多分無意識です(爆)

頑張れ獄寺!(笑)

掲載してくれてありがとうございました!

瑞樹・拝









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瑞樹から頂きました獄にょツナに雲雀さんが絡むと言うひっじょーーーに美味しい設定のお話、萌え萌えしながらありがたくアップさせていただきました!

もうツナちゃん前編で獄とラブラブ(こちらの話は瑞樹のサイトに掲載されております)してるのに、雲雀さんにトキメクとか、仕方ない雲雀さんはカッコイイ…、いやいや帯直して貰うだけで喘ぐとかどんだけ感じやすいんだ等おいしさ満載なお話を本当にありがとうございました!

もう雲雀さんのツナちゃんへの可愛がり方が憎い(笑)頭なでなでしてほしいですよ瑞樹さん(笑)萌えた…萌えすぎた!

このお話の雲雀さんサイドもあるそうなので、もう楽しみにしていますーっ

桜井綾






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