SILVER SOUL
φ
瞬間的のフラッシュバック。
ひとつひとつ自分が生まれて育った過程が、まるで長編映画みたいに、記憶の川を流れていく。
わたしは、一体、どこにいるんだろう？
自分がいま感じ取っているのはサイバティックなネオンの光と、扇風機なんて比べ物にならないほどの疾風。
このときこの瞬間だけは、自分の性別・容姿・年齢・学歴全てわすれていた。そう、例えるなら…まるで夢の中にいるみたいだ。
声を出しても、出ない。
ノンレム睡眠状態にあるみたいに。
――嗚呼、いつまで続くのだろうか。
時間の経過も感じ取れない、箱庭みたいなこの世界。
しかしわたしは、コレさえもいつの間にか忘れていた。
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