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トリップ
十七話
うっふっふ。この猫耳集合写真は宝物さ。さて、乾のパソコンに報告メールを。





宛先:乾 貞治

件名:にゃんにゃんな出来事がね。



貞ぽん。ごっつスゲェ事が起きちゃったヨ!皆にアレを飲ましたら、猫耳とシッポが生えちゃいました。

さすがですな!青学のデータマン&魔…じゃなくて、不二子!

『にゃんにゃんフェスティバル最新版』っつー項目のある黒魔術の本がめっさ気になるけど…。

それは不二子に聞くとして。証拠写真を何枚か添え付けしときました。

これからの研究に役立ててくださいまし。そいでわ、また!







「送信☆」

ポチっとな。

「…ふわぁ、それにしても凄い萌える写真ですなぁ。」

っと、ケータイにメール着てる。



Fromキヨ

Subjectみるくちゃ〜んvv



お!千石しゃんからだ。

「えーと、なになに?『今度の日曜デートしなーい?』って、めちゃ軽いなぁ。」

でも、あっちからのお誘いは拒みませんから!

「『構いませぬぞよ!んだら、どこに何時だべそ?』そーしん!」

という訳で日曜の11時、氷帝の最寄りの駅で待ち合わせになった。

「とりあえず皆には内緒だわね。」

あ、デジカメ持っていこう。キヨスミによる清純(せいじゅん)スマイルをゲッツせねばな!





♪〜♪れ〜んずにはなぁんも仕掛けはないよ♪〜♪



うおっと!何だ何だ、今度は忍足から電話?

「はい、もしもし。侑士どうしたの?」

『あ〜みるく、夜遅くにすまんなぁ。実は俺、風邪引いてもぅてなぁ。』

「え?嘘、大丈夫なの?」

『まぁ、な。せやけど大事を取って明日は休むわ。んで、お願いなんやけど〜…聞いてくれるか…?』

「時と場合による。」

『お見舞いに来てほしいんよ。明日、学校終わってから。親帰ってくんの遅いから寂しいねん。』



うわっうわっ!何その寂しそうな声!めっちゃそそるんですけど!?



「そういうことならお安い御用ザンス。」

『ほんま〜?嬉しいわぁ。…あー、何やみるくの声聞いたら安心して眠なってきたわ…。』

「嬉しいこと言ってくれるじゃん。お大事に…おやすみ。」



ちゅ



『お、おー。電話ごしにキスなんて大胆やな。明日、待ってるで?おやすみな。』



ちゅっ



『…んぁぁ…。』



ピッ



うわ〜うわ〜!!!!ダイレクトに音と声が!!!!何コレッ身体の至る所が疼いたじょ〜!!!?

「…恐るべき忍足エロボイスパワー…してやられたわ…。」









「おはようみるく。今日は忍足が休みだそうだ。」

「知ってるよ。昨日電話もらったし。」

肩に置かれた手をつねってみる。

「アーン?まさか!お見舞い来てくれっていう催促の電話か!?」

「イエス・キリスト。」

「ダメだダメだ!行ったが最後、襲われるのがオチだ!!」

何言っちゃってるかねこの子は。

「今の侑士に私が襲われる訳ないデショ。そんな事してきたらベッドに縛り付けてやるし。」

「…さいですか…。」

さいですよ。

「寒いって抱き付かれたら百度のサウナにご招待よ☆」



「忍足を蒸し焼きにする気か!?」

忍足の蒸し焼き、フェロモンソース添えです。

「ほら、朝練ですわよ部長さん!」









物足りないっ物足りないッ物足りないのよ〜う!!!!

「丸眼鏡不足ぅ〜。」

一人居ないだけでどうしてこんなに物足りなさを感じるのかすぃら…。

「侑士が居ないとやりづらいぜ。」

「そうよねぇ、ガッ君。寂しがりやなガッ君はもしかして侑士にホの字?」

「は?何気色悪い事言ってんだ。つか、ホの字とかって…いつの表現方法だよ。」

ぬはーん、厳しいツッコミ入りました〜。

「何かね、一人居ないだけでミソ汁に汁が無いっていうか…。」



「ただのミソだな。」



「チーズケーキにスポンジが無いっていうか。」



「最初っからねぇよソレ。」



「そんな感じなのよさ。」

ぽっかり穴が開いた気分。

「…みるくこそ、侑士にホの字だろ。」

「そんな事は許されぬ身分なのです。」

「そーかよ。」

だって、私の世界ではココは本の世界なんだもの。いくら好きな人がいても、いつか帰らなきゃならない時が来るかもだし。





「ありがとうございました!」



さて、今日は忍足家にお邪魔させていただきます。

「みるく、俺もついて…。」

「景吾に風邪がうつっちゃったら大変じゃん。」

部長なんだから。あなたが居ないと始まらないデショ。

「私のことは心配しないで、景吾はゆっくり身体を休めること。」

「わかったよ。くれぐれも気を付けろよ?」









ピーンポーン



『…はい。』

「あ、侑士?私ッス。来たよ。」



ドガン!



がちゃっ



「…いらっしゃ…。」

「ちょっと!今ドアに頭ぶつけたでしょ!?大丈夫?」

すごい音がしたよ。

「へ、へーきやで?」

わ!パジャマ!弱った姿にときめいちゃったよ…。

「平気じゃないでしょ。ヨロヨロして。」

「コレは熱のせいやで。」





とりあえずベッドまで移動させました。

「パジャマ汗だらけじゃないのー、着替えは?」

「んー、めんどー…。」

「昼ご飯は?薬は?」

「食ってへんし飲んでへん。」

「あー、わかった。全部やってあげるから。まず脱ぐ!」

このままじゃ治るモンも治らん。

「洗面器とタオル借りるからね!」

「…んー…なんやパジャマ脱がされるて変な気分…。」

「それは風邪のせい。」

変に意識されるとこっちが照れるっつうの。

「身体拭くからね。」

「…おー。…ふ、ッ…くすぐったいわ…。」



…ぐッ、今鼻血とか…まずいよね…。



「ほら、腕通して。」

「…うー…。」

「侑士、絶対昨日より熱上がってるでしょ。」

昨日電話じゃそんなに弱ってなかったよね。

「おとなしくしててね。それと台所借りるよ!」







さてさて、いっちょ身体と胃にやさしいお粥作るかな。





「ゆ・う・し〜…起きてる〜?」

「んー。」

「はい、お粥。」

「んー、あー…食べさせてぇな?」

うーわ、甘えんぼさんに変身しちゃってるよ。

「しょうがないなぁ。今日だけだよ?」

「みるくに優しくされるなら、たまには風邪引くのもエエなぁ。」



ソコで頬笑むの反則だろ〜!!今日の私、いつも以上に心搏数すごいよ!



「私に心配かけさせる人なんて知りません。ほら、薬。」

「心配してくれたん?なら口移し〜。」

「侑士、そろそろ犯すよ?」

「…スイマセン、調子乗りすぎマシタ。」

まったくもう、やさしくすればエロスボーイになりやがって。







「それじゃあ、明日ね。あ、冷蔵庫に買ってきた林檎切って入れといたから。起きれるようになったら食べてね。」

「お別れのちゅ〜は?」

このッこのッ調子に…!

「…仕方ない甘えん坊め。」



ちゅ



「これでいい?眠れる森の美男子サン。」

「…お、おー。…おおきに…。」

「明日部活あるけど無理しちゃダメだからね。具合悪かったら休むこと。じゃ!」

言っとくケドおでこだからね!皆、誤解しないように。



◆続く◆


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キヨからデートのお誘いメールです。もちろんOKなヒロインちゃん。キヨの運命やいかに!(笑)
そして風邪を引いてしまった忍足さん。ちょっとだけおいしい展開に…。甘えん坊発動!
次回は部活でぼこられる忍足と、キヨとのデート…かな?どうなることやら…。
write.2005/09/11

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