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リク1
目を覆う、瞬間。(忍跡)しづみやさん
最近忍足が変だ。妙によそよそしい。いや、大した変化はないのだが、変な気がするのだ。



「跡部、シようや。」

「………ん。」



たぶん、周りから見れば誰も気付かないであろう。俺にも微弱にしか感じられないから。







いつもの通り俺は俺の部屋で忍足と過ごす。

「…ッぁ…お前、がっつき過ぎ……んっ。」

「クるやろ?」

「…はぁあ、ん…馬鹿…。」

眼鏡を外さない。俺とする時に眼鏡を外さないのだ。

普通だったら邪魔で、こういう時くらい外すだろうに。でも、ソレを変だとは思わなかった。

ただ疑問なだけで。

「…ぁ、ふ……ん…。」

「可愛ぇで?」

「やぁ、あ。」













後日、何となくジローにその事を話した。ただ、何の気なしに。

「えー、それって怪しくない?素顔を見せないなんてさ。」

「そ、そうか。」

「何かさ、一歩引いてるよね。忍足って。」

そういえばそうかもしれない。何だかんだ言ってアイツは境界線がはっきり引かれている気がする。

「でも、忍足ってさ、跡部の事は特別なんだよね?きっと。」

「そうか?なら、いいんだけどよ。」





今度、問いただしてみようか。











「眼鏡、とれよ。」

「嫌や。」

早速問いただしてみれば一刀両断だ。付け入る隙がない。



「………ッ…!」



カシャン、と音を立てて落ちる眼鏡。俺は強行手段にでて、一気に眼鏡を外したのだった。

忍足は驚いたまま固まっていた。

「跡部ッ!」

パシンと音が鳴り、俺の頬に痛みが走った。

何で。何で俺が叩かれなきゃいけないんだ?

「もう知らん。」

それきり、忍足は俺に話し掛けなくなった。











「ジロー、俺…忍足に悪い事したか?」

「跡部はもう少し相手の事考えてあげなきゃダメだよ?

きっと忍足にも事情があるはずだから。いきなりそんな事したら誰だって怒るよ?」



「そう、なのか?」



「ちゃんと跡部の気持ち、伝えてみて?忍足はきっと答えてくれるから。」

「…ん。サンキュ、ジロー…。」







俺は、間違った事をしてしまっていたのだ。人の気持ちも考えず、自分の気持ちだけで動いてしまった。

怒られるのは当然だ。謝ろう。そう決意した。





「忍足、その…話が。」

「………跡部。」

少し、安心したような忍足の顔。

「わかってくれたん?」

「……悪かった…いきなり、あんな事して…。」

「……そか、わかってくれたんやな。…俺も、叩いて悪かった。」

頬を撫でられ、俺も安堵のため息を吐いた。

「俺の家で、話さへん?」

俺は黙って忍足の後に付いていった。





少し重苦しい空気に気まずさを感じながらも、飲み物を入れに行った忍足を待つ。

「跡部、お待たせ。」

「ん。」

コトリとカップが置かれて忍足が口を開いた。



「俺な、昔…目ぇ怪我した事あんねん…。」

自分の過去を話し始めた忍足。眼鏡を指で上げた。

「ずいぶん昔の話や。でもな、少し前…鳳のサーブが目ぇ付近掠めて…フラッシュバックしてもうて。」

「…ああ。」

「目ぇの近くに何か来ると、嫌やねん。せやから、眼鏡で誤魔化してたんや。」

「……そうだったのか。」



それなのに俺は、無理矢理眼鏡を弾く様な事をして。さぞ、恐かっただろう。

トラウマに気付かずに失礼な事をしてしまっていた。



「…ごめん。」

「俺もごめんな?頬、痛かったやろ。」

チュ、と頬にキス。それだけでもう俺はほだされてしまう。





「……仲直りのえっち、する?」





「したいんやろ。」

「!!!?違……くもないけど……。」

俺の背中に回された腕が、背中をさする。



「なら、シよか。」

「…意地悪…すんなよ……?」

「…さあ…なッ。」

「…ッ!!」



ドサッと音がして、視界が反転する。忍足の曖昧な返事に少し怯えてしまうが優しくキスされると、ほだされてしまう。



「…ん、ん……ぅん……。」

「…跡部……可愛ぇで…。」

「……ん、ゃ……。」

プチプチとボタンを外され、自然とゾクリと身体が疼く。

「…えっちな身体やな…もう乳首…立ってる…。」

「…ぁ、あん…ッや…ん……。」

「…コリコリや……。」

「……ンッ…言うな……。」



忍足とするとなると、身体が勝手に熱くなってしまうのだ。沸き上がる快感に戸惑うこともある。

しかしそれは忍足だから。だからこそなのだ。



「…んぅ……ぁ…。」

「…こっちも…勃ってるで…。」

忍足はズボンから俺を取り出すと、そのまま口に含まれる。ねっとりとした感覚に腰が揺らいでしまう。

「…ァ、んっ…ンンッ…やぁ、あ…ッ。」

わざと音を立て吸われる。羞恥に顔を覆うと、クスっと笑う気配。楽しまれていると思うと少し憎い。





「…指…舐め……?」

「…んっ、ふ…ァ、…ん…。」

俺を含んだまま手を伸ばしてくる。俺は逆らわずに差し出された指を舐める。

「ん、良くできました。」

「…ひぅ、あ……アッ…ンンッ…。」



自身を含まれたまま後ろの孔を指で犯される。両方から与えられる快感に自然と腰が動く。

貪欲な身体に愚痴をこぼしたい気分だ。

「…ふ、ふぅッ…ァ、忍足…やぁッ…。」

「…ンッ…イきたいか……?」

「…ん、うんッ…も、出ちゃ……ッ!」

「…イき…?」

「…口放し…ッ…ぁああぅッ!!!!」





俺が達すると忍足のノドがゴクっと音を立てる。飲まれたと思うと申し訳ないような嬉しいような複雑な気分になる。





「…ここ、好きやろ……。」

イッたばかりなのに中にある指を俺の好きな場所に当てる忍足。俺のモノから少しの白濁がこぼれる。

「…ぁう…ッはぁ…もぅ、いい…から、忍足。」

「…入れて…エエのん…?」

「…んっ…欲しい……。」

俺はねだる。早く忍足で感じたい。

「せやったら、もっといやらしくねだってや?」

「…ッ忍足…のを、ここに…入れて…?」

足を開き、両手の指で孔を広げる。今はコレが精一杯だった。



「………刺激的やな…。」



「…ァ、忍足…んっん…ぅ、ふ…。」

「…柔らかいで?…中…。」

「…やぁあ…ァ、ん…はぁん…。」

忍足のモノがずるりと入り込み、拡げられる感覚に身震いする。





「…ッは…エエで…。」

「…あっあ、ぁ…んぅうッ…忍足…!」

「ん?」

「…ごめ、御免なさいぃい……ッ!!」



攻められてるというのに先日のことを思い出し、申し訳ない気持ちになってしまい突発的に謝っていた。



「…ッぁああ、何で…おっきぃ…イクぅッ!!」

「…はは、跡部のせいや…イき…?」

「…おし、た…ッダメ…ァ…やぁああッ!!!!」









「跡部、平気か?」

俺は気を失っていたようだ。気が付くと忍足が俺の頭を撫でていた。

「…忍足ぃ……ごめん…。」

「もうエエって。」

「……ん。……あ、そだ…おまじないしてやる。」





膝立ちになり忍足の上に乗る。忍足は少し驚いた表情だ。

「…眼鏡、外して……?」

「……ん…。」

俺の前で忍足が眼鏡を外す。

忍足の目を覆い、瞼にキスをした。

「………?」



「忍足のトラウマが早く消えますように。」



「………アホ…。」





クスッと笑われ、手を引かれ俺の唇に忍足の唇。逆にキスされてしまった。

俺も笑い、忍足のキスにこたえた。



END


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「第三回特別リク1」しづみやさんリクエスト。いくつかのネタ候補がありましたので、
忍跡、トラウマ忍足、シリアス、怪我…をチョイスして話を書いてみました。
リクエストに応えられてない気が…(汗)返品可です。ですが、楽しく書けました!

リクエストありがとう御座いました。
こんなものですが、感想頂けると嬉しいですv
write.2006/08/19

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あきゅろす。
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