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逆転裁判SS
新しい記念日
「なるほどくん、ソファにハンカチ忘れてたよ」
「あ、ごめん」
「あとコレ、今日読む原稿。家に忘れてたでしょ」
「ああっ!完全に忘れてた…。真宵ちゃんありがとう」
「もー!なるほどくんてば本当に忘れんぼなんだから」
「はは、ごめんごめん。でもいいよ、ぼくは忘れっぽいままで」
「なんでよー」
「真宵ちゃんがいれば大丈夫だろう?」
「なっ……あ、あたしはそんな、メンドーなんて見切れないよっ!」
「そこをなんとか」

新しい記念日


「もうっ……なるほどくんて記念日とかも忘れちゃうタイプだよね」
「そんなことないよ」
「でもでも!今まで何も……言ってくれたり、しなかったじゃない」
「男はあんまり気にしないイキモノだから。…もしかして、何か欲しかった?記念日のプレゼントとか」
「ち、ちがうの、そうゆうワケじゃなくて。ただ、忘れちゃってるのかなぁって思って……ちょっと、言ってみただけ」
「ごめん、忘れてたわけじゃないんだ。ただ言わなかっただけだよ」
「……ホントに?」
「うん。ちゃんと覚えてるよ」
「…あたしたちが付き合い始めた日、覚えてる?」
「もちろん。真宵ちゃんの誘拐事件が解決した日だよね」
「あたりー!えへへ、ホントに覚えてたんだ」
「そりゃまぁ…インパクトの強い事件とセットだから、忘れろったってなかなか忘れられないなぁ」
「その節はお世話になりました」
「どういたしまして」
「じゃあじゃあ。初めて手をつないだ日は?」
「え!」
「初めてチューした日は?」
「そ、そんな細かいのも記念日にカウントされるの!?」
「トーゼンです」
「ぐ、むむ…!」
「覚えてない?」
「………ごめん。さすがにそこまでは覚えてない…」
「うーん。やっぱりなるほどくんも覚えてないかぁ」
「うぅスミマセン……て、ぼく『も』?」
「あは。実はあたしも忘れちゃったんだよね」
「えええー…なんだよもう」
「でもでも、昔はちゃんと覚えてたんだよ?」
「ふぅーん」
「あ、なにその顔!信じてないでしょ」
「そんな事ないよ?」
「ふふん。真宵ちゃんをなめちゃあいけないよ。昔の事は忘れちゃっても最近の事ならバッチリだもんね」
「それ普通なんじゃ…」
「ほらほら、ちょっと最近の記念日をあげてみてよ。真宵ちゃんが見事当ててあげるから」
「えぇーいいよもう、そろそろ時間だよ?」
「いいからー!早く早く」
「ううん…じゃあ今日」
「きょ、今日〜!?」
「今日だって最近のうちだろ?」
「もっとムズカシイのでも良かったのにぃ」
「ぼくとしては今日ほどの記念日はそうそうないと思うんだけど」
「そりゃそうだけど」
「そうだ。せっかくの記念日なんだからさ、ほら、ん」
「だ、ダメだよ!お化粧崩れちゃうもん」
「えー」
「あとでするでしょ。それまでガマンガマン」
「ま、いいけどね」
「あ……もう時間みたいだね」
「うん。じゃあ行こうか、真宵ちゃん」
「うぅ、キンチョーしてきたなぁ…」
「手、つなぐ?」
「うん!」
「ああ、そうだ。言い忘れてたんだけど」
「ん?」
「…真宵ちゃん、似合ってる。すごく綺麗だ」
「…………へ…」
「ほら行くぞ。転ぶなよ」
「…あ。う、ハイ」
「毎年、今日はちゃんとお祝いするから」
「…ん」
「…末永く、よろしくお願いします」
「えへへ…こちらこそ!」
「さ。行こうか奥様」
「はい、旦那様!」


《終》


諸事情により花嫁企画という素晴らしすぎる企画に参加できなかったので、ここでコッソリ捧げさせていただきます(>_<)
この二人、ちょっと気を抜くと勝手にどんどんしゃべり続けて脱線させないようするのが大変でした(^^;

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あきゅろす。
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