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カキツバタ
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彼がこんな目にあっている原因は、1週間前。僕達のクラスに転校してきて、次の日だった。

もともと僕達の学校は外部生じたい少なくて、編入生なんてここ10年以上いなかったんだって。

だからこそ彼は騒がれた。
編入試験を満点で合格した天才はどんな人か、て。

だけど彼は普通の人だった。あ、僕にとっては。周りの人からしたら、落胆だったらしい。

それでも特に問題はなかったんだ。
例えボサボサの頭ででかくて太い黒ぶちの眼鏡をしてても、一般的に見て顔が悪くても。

僕なんて編入生の存在じたい知らなかったくらいなんだから。


僕が彼の存在を知ったのは、いつものように食堂で昼食を取っているときだった。

この学園のカフェテリアは特殊で、一階と空中園庭で出来上がってる。

でも、空中園庭はあの方達……生徒会執行部の方達専用で。
だから一階に彼らは来た事がなかった。

多分あの日が初めてだったんだと思う。

いるはずのないところで、あり得ないくらい至近距離からあの方を拝見出来て、僕の息が一瞬止まった。

ただ真っ直ぐ一般生徒の間を横断していくあの方に見惚れていたのを覚えている。


そこであの方達は彼を見つけると、見たこともないような……素晴らしい笑みを浮かべたんだ。

息だけじゃなくて、心臓まで止まるかと思った。
美しくて、僕なんかが見てはいけないもので。

その高貴で価値ある笑顔を一身に浴びる彼を羨ましいと思った。
思った、だけ。他の子達は違ったようだけど。

でも、問題はその後。

その後に彼がした行動が、今の制裁に繋がっている……──。







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あきゅろす。
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