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カキツバタ
2

だって会長はあの方に迷惑をかけてばかりで、あの方がご友人だと宣言しなければ僕は会長を落としにかかっていたと思う。

実際行動に移してたら、会長の親衛隊と啀み合う事になるだろうけど。


ああでも。


あの方が認めたお方なんだから、僕も認めなくちゃ。

会長を嫌っちゃ、ダメだよね……。



でも……


春の、誰もいない教室で、

力ずくで押し付けられたあの感覚は……思い出しただけでも体が震える。




『弘人!無闇やたらに人を襲わないで下さい!……君、大丈夫?早く行きなさい。弘人はこっち!』


あなたが僕を助けてくれたから。


だから僕はあなたに全てをかけるよ。


あなたが笑ってくれてさえいたら。



僕は、生きていられる……。


凄く自分勝手だけれど。


あなたの全ては僕の全て。
そう思っていたいから。

思うだけでいいから。



いつものようにあの方の笑顔を頭一杯に思い浮かべながら、僕はゆっくりと瞼を閉じた。



会長の事は、嫌いじゃない……

嫌いじゃ、ない。


だってあの方が、気を許す人なんだから……


嫌いじゃ……──











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あきゅろす。
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