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カキツバタ
4 TAITO SIDE

でも、男の俺でも見惚れるくらいの素晴らしい笑顔で見つめられて、渋々鬘と眼鏡を装着した。
気分は仮面○イダーだ。

「で?着けましたけど……」

眼鏡は重いし毛が顔にかかって鬱陶しい。
つーか、顔にかかるって範囲じゃねぇよこれ。顔の半分毛で隠れてるじゃねぇか。

「じゃあ、はい。鏡」

「はぁ」

渡されるがままに鏡に自身を写し出すと、そこには想像した以上に気味が悪い顔がいた。

思わず、げっ、と眉を寄せる。

「どうだい?これじゃ明らかに『兎-ラビット-』には見えないだろう?」

「え?何でその名前知って……?」

『兎』。不本意だけど、俺の通り名である。

目に入る族達を白み潰しにしていたある日、

高いジャンプ力に小動物のような小柄らさから

『兎』と呼ばれるようになっていた。

今思っても小動物っつーのに腹立つけど、兎ってねぇだろ。名前も元になってると思うと親を恨むぜ。

「大兎くんを学園に入れる前にちょっと調べたんだ。悪い子だったらいくら僕の甥っ子でも学園に入れるわけには行かないからね〜」

「え?でも……」

「夜な夜なさ迷い歩いて暴力を振るってたって言うのに最初びっくりしたけど、深く調べたらわかったよ」

隆彦さんは、深い笑みを浮かべた。

「君は、正義の味方だったんだね……!」

「……いや、そんなつもりじゃ……」

まぁでも、いいか。

「そ、それより隆彦さん。結局これって変装ってことすか?」

「そうだよ。変装してたら君だってことわからないだろうから、安心して学園生活が送れるね」

これだけ顔が隠れてる上に雰囲気も真逆だから、確かに俺だとは気付き難いだろう。

でもこれ……ダチとか出来んのか??



色々な疑問が残ったが、俺は奴ら……『skeptic』に見つかるくらいなら、と鬘と眼鏡を装着して杜若学園へと転入したのだった。




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あきゅろす。
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