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カキツバタ
3 TAITO SIDE

「やっぱ俺、転校止めようかな……」

奴らがいるなんて。しかも奴らが神的に崇拝されている学園に行くなんて……考えなくてもヤバイってことが想像出来る。

遠い目をしながらポツリと呟いた俺に、初めて会ったばかりの叔父──隆彦さんが

「いい案があるよ。止めなくて、かつ見つからない方法が」

と言って茶色の紙袋を取り出した。

「マジすか!?」

「うん、マジ。じゃじゃーん!」


「……なんすかコレ」


一瞬毛糸が出てきたのかと思った。

しかし現実は、黒のもじゃもじゃした謎の物体……まるで幽霊の生首みてぇなモノが鷲掴みされて出てきた。

ナニ、それ。マジ。

疑いたくねぇけど、この人ちょっと頭がやべぇのかもしれない。顔はすこぶるいくて紳士的なのに……勿体ねぇ。

「そんな顔しないでよ。今から説明してあげるから」

思ったより顔に出てしまってたらしい。隆彦さんは若干呆れた顔で説明し始めた。

「まぁ説明と言ってもこれはただの鬘なんだけどね」

「鬘?」

「そう。あとこの……眼鏡」

新たに取り出された眼鏡は一昔前の写真で見たことがある瓶底眼鏡だ。

「うわ……そんなんまだ売ってんのか」

「売ってたよ〜。老眼鏡だけど」

「見にく!」

「あはは、大丈夫。レンズは変えて貰ったから」

へぇ〜……、と何ともいえない返事をしつつその眼鏡を借りてみる。
手にとって顔の位置まで持ってくと、顔の半分よりちょい小さいくらいだった。

「で?なんで鬘と眼鏡?つか誰がつけるんすか?」

うわ、この鬘めっちゃボサボサじゃねぇか。しかも短い……ショートカット用か?

「君がつけるんだよ?」

「へぇ〜……へ?」

聞き間違いかと思って隆彦さんに目をやると、ニコニコ笑顔で返された。

「こ、これ、俺が?」

「そう。ちょっと着けてみてよ」

「……」

ちょっと……いや、かなり嫌だ。



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あきゅろす。
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