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カキツバタ
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「どうしたらって……まず大兎が副会長の事をどう思ってるかが問題だろ?まぁ、本人は女が好きだって言ってるから恋愛感情は持ってないだろうけど」

栄二は完全に体を起こして足を組むと、うーん、と悩みながら言った。

そういえば江島はこの学園に来たばかりなんだっけ……女の子が好きって言葉、凄く久しぶりに聞いたかも。

この学園自体女の子しかダメって人は極稀だったし、僕自身小中も男子校だったから何だか新鮮だ。

「とにかく副会長が大兎にアタックしてくれれば、可能性は無きにしもあらずになるわけだろ。そのためには二人っきりにさせるとか?」

「二人っきりに……」

そういえばカフェテリアで空中庭園を見てたら、大体生徒会の皆様と江島が一緒にいたような。

「見てると生徒会連中は抜け駆け禁止みたいな所があったから、二人っきりにするのは難しそうだけど」

「抜け駆け禁止……」

何だか、改めて途方に暮れてしまう話だと思ってしまった。

どうして江島なのかな?
見た目は……もっと良い人は沢山いるし、やっぱり性格が良いのかも。
なんだかんだ言って僕は江島とちゃんと話した事がない。

まず僕がすべき事は……江島と柳様を二人っきりにすること?
でもどうやって……

「まぁ、急ぐ事はないだろ。ただ楓、お前親衛隊はどうするんだ?副会長と大兎のこと、周りの連中は納得しないだろ」

「え?」

柳様が幸せになれる事なら皆納得してくれると思うんだけど……。

でも、確かに今更江島を守る事にしますって言いづらい……かも。

「体育祭の件でまだ皆ざわついてるだろうし、暫く様子みてた方がいいんじゃないか?」

「そうかな」

うん、そうかも。急がば回れって言うし。

やっぱり栄二に相談してよかった。

「それで?」

「え?」

「俺は何をすればいい?江島と副会長をくっつけるのに協力すればいいのか?」

言いながら突然両脇に手を差し込まれて持ち上げられる。

な、なに?

キョトンとする暇すらなくそのまま栄二の膝の上に跨ぐように座らされて腰に手を回された。

「栄二?」

「なぁ、何かすることないの?」

肩に顎を置かれて喋られると、何だか変な感じがする。




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あきゅろす。
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