…期待、しても良いのかな。
好きって言っても拒否されない?
こんな熱い眼差しを向けられたら、もしかしたら透毅も?って自惚れそうになる。

これからの2人の立場とか、考えずに言ってしまいたくなる。

「だから、覚悟しとけよ?本当は卒業するまで我慢しとく予定だったが、これからは容赦しねぇから」


…ん?

「つうか、好きな奴と居てこれ以上我慢出来るかよ、邪魔者も出てきたし」

すぅ!?

幻聴?

いやいや、好きって言ったよね!?
ってか俺の気持ちは?

あれ、俺無意識にぽろっと告った?

「あ、のさ」

「何だ?」

い、言っといた方が言いよね!

「俺、も、す好き…デス」

ふぎゃーっ!!はずいっ!
何これ、むずがゆっ!

「あぁ、知ってる」

「は?」


ニヤニヤ意地悪な笑みを浮かべられ、思わず凝視する。

はい!?

「お前の態度見てりゃわかる、覚悟しとけって言ったのは、まぁ…体力的な意味だな」

「なぁ!?」

エロい!笑顔がエロいよ!
透毅の言ってる意味はいまいち理解出来ないけど、何か身の危険を感じる。

「あと、和也に会う時は俺に言ってからにしろ」

「か、ずにぃ?」

「そうだ、良いな」

特に隠す事でもないし、それを口実に連絡出来るなら、まぁ良いか、と頷く。
それに目を細め頭をよしよし、と撫でられる。

うぅ…、何か前と扱いが変わってない気がするのは気のせい?
いや、今のでも慣れないし、いつの間にか透毅に跨って座ってて、かなり密着した状態でドキドキしぱっなしだけど。

前とあまり変わらない感じなのに、そうゆう対象に見られてたんだって解った途端、意識してしまって顔に一気に熱が集中する。

「そろそろ風呂入るか?」

「、うん」

そんな俺の状況なんてお見通しな透毅が笑いを堪えてるのにも気付かず、その言葉にホッと力を抜く。

チラッと時計を見ると結構時間が経ってしまってたみたいだ。

「一緒に入るか?」

「え!?」

色々、疲れた俺に変わって(とゆうか、いつも気付かないうちに色々してくれるけど)お湯を沸かしに行こうとした透毅が聞いてくる。

「冗談」

「っ!」

フッと笑って去っていく後ろ姿を見て完全にからかわれた事に気付く。

一瞬本気にした自分が恥ずかしいっ!
ってか俺、透毅とキスしたんだよな?しかも、べ、ベロチューっ!
…うわぁっ!

今更恥ずかしくなっきて近くにあったクッションに顔を埋めながらのたうち回る。




「何やってんだ、お前」

「ひぎゃっ!」

後ろを振り向くと、呆れたような顔で笑ってる透毅がいた。

見られた!?
いつの間に戻ってきてたんだ!?

「今お湯入れてるから先シャワー浴びてこい」

「う、うん!」

居たたまれなくなって逃げる様に浴室へとダッシュする。
浴室に入った瞬間、鏡に映る顔を真っ赤にした自分が目に入り、更に居たたまれなくなる。
そんな自分を落ち着かせる為に、さっさと服を脱いで勢い良くシャワーを浴びて浴槽に浸かる。

「はぁ〜…」

ぼーっとお湯に浸かっていると、段々冷静さを取り戻してきた。

透毅が俺の気持ちに気付いてたって言ったけど、それもそうかと思い返す。バレバレだったし。

でも、知ってたんなら言ってくれても良かったのに…。1人あたふたしてたとこ見られてたなんて、ちょっと切ない。

ってか俺どんだけめり込んでってんだよ…。
好きって言われる前は平気だった事も意味があると知った途端意識して舞い上がっちゃうとか。

でも、これからは受け身ばっかじゃ駄目だし。い、色々がんばらないと!

そんな新たな決意を胸に、勢い良く浴槽からでた。

その後、なんとか平常心を取り戻し…た様に見せかけ、またも、あたふたしながら透毅を風呂に行かせた。
当然、一緒に寝る時は暫く眠りに就く事なんて出来なかった。



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