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「…っ、はぁ…」

ここまで来れば大丈夫かな…

アリーシェは狼カイトから逃げるために走っていましたが、流石に体力の限界。スピードを緩めて一人、とぼとぼ歩き始めました。



その頃カイトは―…

「お〜い、結構摘めたぞ…って。あいつどこいったんだ…?」

狼には不釣り合いな可愛いらしい花をカイトはたくさん摘んできたのですが、アリーシェが見当たりません。
もしや…


「逃げられた…?」

おいおい、マジかよ。
ったく、せっかくの獲物だったのに…

カイトは悔しさの余り、眉を寄せました。
しばらくそのままの状態で思案していましたが、やがていい案を思い付きました。

自分は狼なんだ。
狼は…―よく鼻がきく。

「アイツの匂いを辿っていけばいいじゃねぇか。」

狼はニヤリと意地悪く笑うと、真っすぐにアリーシェの方へとかけていったのでした。






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