そばにいるから 暗闇を怖がるのは昔から。 独りを怖がるのも昔から。 怖がらなくていい。 そばにいるから 『恭弥っ』 雲「…悠姫、もう少し静かに入ってこれないの」 『今日の夜暇!?』 雲「ワォ、無視かい?」 けたたましい騒音とともに応接室に入ってきたのは、名字悠姫。僕の幼なじみで、一応恋人。 『一応って何』 雲「なんだ、君読心術が使えたの」 『恭弥の考えてることぐらいなんとなくわかるよ』 ワォ、馬鹿にしてるの? 『それで、今日の夜暇?』 雲「ああ、すっかり忘れてたよ。誘ってるの?」 『恭弥が考えてる意味じゃない意味で誘ってる』 雲「…チッ」 『舌打ちすんな』 つまらないね。 [次へ#] |