04
二人はまた私の髪のセットやメイクを始めた。私は、眠いふりをして目を閉じた。
綱吉さんは、婚約者を捜してた。
ほかのマフィアの令嬢と結婚させられるのは嫌だって。
偽物の婚約者を婚約者と偽って、それを避けた。
だったらその偽物は、誰でもよかったんだよね…?
こんなに身近にこんなに美人さんが二人もいる。
この二人なら、容姿も申し分ないはず。
それに、ハルさんは綱吉さんが好きだって言った。
だったらハルさんを婚約者にした方が早いし、わざわざ捜す手間も省ける。
なのにどうして私なの?
身替わり
私はハルさんの身替わりなのかな。
マフィアのボスの婚約者なんて、危険ばっかりだから。
だから私を替わりにして、ハルさんを守った…?
胸が裂けそう。
苦しい。
いやだよ…。
気持ち悪い。
なんでこんな気持ちになるの…?
京「できたっ」
ハ「姫ちゃん綺麗ですー!」
綺麗にしてもらったのに、私の顔は冴えなくて。それでも無理矢理笑顔を作ってお礼を言った。
京「もう時間だね」
ハ「行ってらっしゃいです!」
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