03
ドレスに着替えて、京子さんたちとおしゃべりしながら「これはどうですか!?」「こっちの方がいいんじゃないかなぁ?」と、いろいろと試されている私。
髪や顔を触られるのにも慣れて、私は二人のなすがまま。
ハ「それにしても、ツナさんにこんな可愛いフィアンセができるなんてハルショックですー!」
京「ほんとだね」
『…ショック?』
少しだけ疲れて、ぼーっとしていた私の耳に、ハルさんの言葉が入ってきた。
ハ「ハルはずっとツナさんのことが好きなんですよ!」
『え…』
ハルさんが綱吉さんのこと…?
京「でも姫ちゃんとツっ君なら、お似合いだね」
ツっ君…。
ハ「そうなんですよ!ハル、もう諦めた方がいいんでしょうか…」
『あ、あの!』
思わず口を挟んだ。心の中に一つの仮定が浮かんだ。
京・ハ「どうかした(どうかしましたか)?」
二人が手を止めて私に答える。
『あ、の…京子さんとハルさんは、綱吉さんと親しいんですか…?』
どうしても気になった。どうしてこんなに気になるんだろう。
二人と綱吉さんの関係なんて、私には関係ないはずなのに…。
京「私とツっ君はね、中学校のクラスメートだったの!」
『クラスメート…?』
京「そうだよ!」
『仲良かったんですね…』
京「うーん…最初はそうでもなかったかなぁ」
京子さんは昔のことを思い出したみたい。小さく微笑んだ。
京「最初は挨拶してもすごく焦ってたし、私嫌われてるんだと思ってたの」
『…そうなんですか』
京「うん!でも少しずつ仲良くなってね、ツっ君とおしゃべりもできるようになったんだ!」
焦ってたのは嫌いなんかじゃなくて、その逆なんじゃないかな…。
ハ「ハルは、中学校のときにツナさんに恋をしたんですっ!ツナさんに助けてもらって、優しくて強くて、本当に王子様だと思いましたー!」
ハルさんが綱吉さんのことを好きなら、どうして私はここにいるの…?
ハ「でも姫ちゃんならハルも諦めます!」
『ハルさん…?』
ハ「ツナさんは姫ちゃんを選びました!ハルはツナさんが選んだ人が姫ちゃんでよかったです」
京「ツっ君、すごくかっこよくなったよ。姫ちゃんとお似合い!」
笑顔でそう言ってくれた京子さんとハルさんに、私は必死に笑顔を作った。
『…ありがとうございます』
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