02
最初聞いたときは信じられなかった。沢田さんもほかの人も、驚くほど美形ばかりで。恐ろしいことをするマフィアだなんて思えなかった。
まだ一週間だけど、ここにいる人たちはみんないい人だし(一部怖いけど)、本当に少しずつだけど男の人に慣れてきた…かも。
まぁ、ここにいる人たち、みんなキャラ濃いし。少しずつでも慣れなきゃやってられないと、早一週間で悟りました。
(…あ、獄寺さん)
厨房の前を通り過ぎようとしたら、中にいた獄寺さんに気がついた。
なんと、この屋敷では獄寺さんが厨房係らしいです!!
獄「…どうした?」
『Σ…ぁ、』
立ち止まった私に、獄寺さんは話し掛ける。でも私は突然声なんて出る訳なくて。
獄「…無理しなくていいから、早く十代目んとこ帰れ」
獄寺さんの声は優しくて、困ったように微笑んでいた。
『…て…つだわせて、ください…っ』
ボンゴレの人たちは、私の事情を知っていて、ひたすら優しくしてくれる。だけど、このままじゃ何も変わらないんだ。
ここに来て、少しでもいいから変わりたいって、そう思うようになったから…。
獄「…あんまり無理するなよ。お前に無理させると、オレが十代目にお叱りを受けるんだ」
『!』
獄「ほら、早くこい」
ぶっきらぼうな優しさ。獄寺さんは、お兄ちゃんみたい。
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