1:幼いお兄ちゃん 「"悠"って名前は特別なんだ」 『?どうして?』 「秘密」 『もーっ』 「そのうち教えてあげる…」 ラ「がははー!ランボさんの登場だもんねー!」 フ「だめだよランボ!」 イ「ランボダメ!」 賑やかな声で目が覚めた。まず目に入ったのは見覚えのない天井。 急速に目覚める意識。 思い出す昨日の出来事。 (…まだ、帰れないのか) ゆっくりと上半身だけ起き上がる。それと同時に勢いよく開くドア。 フ「ランボっ!!」 ラ「ランボさん知ってるぞ!お前ここに住むんだぞっ」 『…クスッ』 予想はしていたがそこにいたのはランボ、フゥ太、イーピンの三人。 元の時代で、私を妹のように可愛がってくれていた人たちだ。話に聞いていた通り、ずいぶんと子供らしい。 『はじめまして、お名前は?』 ラ「ランボさんはランボだもんね!」 イ「イーピン!」 フ「フゥ太だよ、お姉さんは?」 あどけなく笑う彼らが、私の知っている彼らになるとは、ずいぶんと不思議なことに思える。 『私は悠、よろしくね?』 フ「よろしく!悠姉っ」 ラ「悠はランボさんと遊ぶんだもんね!」 イ「♪♪♪」 『いいよ、行こっか』 無邪気なこの子たちに、自分も純粋に笑えた。 とてもかわいらしい。 …マフィアなんて裏の世界を知っているなんて嘘みたい。命の危険なんて何度も経験しているのだろう。…私と同じで。 私もこの頃はこんな風に無邪気に笑っていたのだろうか? ラ「悠ー早くー!」 「悠」 フ「早く行こう悠姉!」 「悠、早くおいで?」 それでも彼らは未来でも笑っている。 『今行くよっ』 (変わった彼らを) (もし帰れたなら) (からかってやろうと思った) [次へ#] |