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中編
8
 

 射精をしても固さを維持している槙野の精力に驚く。
 そして、体内に放出された精液のせいなのか、奥からずくりと熱が波打つ。まさかとは思った。



「っ、あ、なん、で、」
「出したからスイッチ入ったな」
「なん、」
「反応するらしいんだよ、嫌な効能持ってやがる」
「……」



 出せば出すほど、反応するというのだろうか。あり得ない。というか、なんなんだこの薬は。
 槙野は唇を離すと、くっつきそうな距離で苦笑いを溢した。



「お前の唾液に混ざってたやつが、俺にも効いてきた」
「……は、?」
「お前自身が、少量の薬になってんじゃねぇの…っ、」
「あ、う、…っん、あぁっ」



 自分の唾液に同じ効能があるなど、そんなもの、あってたまるか。
 しかし槙野の反応を見ると、微かでも確かにさっきとは違う熱を含んでいるように思えた。
 叩きつけるような衝撃に、息が止まる。



「はあ…っ、唾液でこれかよ…」
「や、あ、動かな…っ」
「むり。怖がるな、素直に流されろ」
「だっ、て…っ、んぁ、あっあっ」
「ちゃんと、壊してやっから」
「なん、だっ、あっ、それぇ…っ」
「消えるまでは、貪欲になれ、」
「あっ、あ…っ、あぅ、ん、あら、た…っ」
「朔、大丈夫だ」



 キスを繰り返しながら、中に出した精液をかき混ぜるように荒らしていく。
 痺れて、疼いて、奥まで貫かれるたびに全身が痙攣するような感覚に満たされる。
 快楽を拾うのに神経を持っていかれ、ただただ追い付かない頭と、自分が考えてしまう欲に目をそらしたくなる。
 しかし、槙野はそれを知っているかのように、キスをしながら、貪欲になれと言う。
 深く考えず、ただ欲に忠実に、ひたすら求めろと。
 否定してしまうと満足感が足りずにいつまでも続くのだと。そんなまさか。
 けれど体は正直で、あり得ないと否定するほど疼きや熱が上がっていくような錯覚を抱く。


 ならば、もう、考えたって仕方ないじゃないか。



「っ、はあ、朔…」
「んん、ぁ、う、あらた…っ、新、もっと、おく…ん、あぁっ」
「…は、っ、上出来だ」
「ひぅ、あ、あ、あ、んは、あぅ、」



 足を持ち上げられて奥まで入ってくる。突かれる度に達しているような感覚で、自分がどうにかなってしまう。
 何度か内側で放出された槙野の精液は卑猥な音を出して溢れている。

 槙野は体を起こすと、俺に手を伸ばしてきた。



「来い」
「ん、はぁ…っ、」



 震える両手を伸ばすと槙野はそのまま被さってきて、首に手を回す。背中を抱えられて体を起こされ、対面座位に移る。
 自分の重みでぺニスが深くまで突き刺さり、さっきまで時々しか当たらなかった場所に確実な刺激を与えてきた。



「ひ、ん、あああ…っ、ふか、い…」
「ふ…っ、ん、」



 腰を支えられ、力の入らない腕でしがみつく。
 下から突き上げられ、腰を揺らされ、奥までゴリゴリと磨り潰すようなそれに喉から叫びばかりが溢れでる。



「っ、はあ、すげぇな、これ…っ」
「あぁ…っ、あ、や、あぅ」
「さく、上になってみ」
「ふ、は、やだ…っ、ああっ」
「大丈夫、」



 なにが大丈夫なんだ、と言いたかったが、槙野はそのまま体を倒してしまった。
 股がるように上に乗る状態になり、貫き抉られたそこから、水が弾けるように音がなった。


 

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