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03
 

「寂しいって認めるんだ?」
「…、ちがう」
「なにが」
「寂しくない。どうでもいいだけ」
「自分がどうなっても?」
「興味ないんだ」
「うそつくなよ」
「うそじゃな…ぁ、んぅっ」


 いや、うそだ。
 そう思って、体を立たせる勢いでキスをした。

 腕を掴まれたけど、引き剥がそうとする力が弱くてそのまま押し倒すことに難なく成功し、息をしようとズレた唇に生じた隙間からまた塞いだ。


「ふ、…んんぅ!」


 こもった声に、一瞬頭の端がチリッとして全身に力が入っていく。


「ん、はっ…な、に……」
「会う前あまいもん食った?」
「はぁっ……は?」
「すげー甘いんだけど。」
「しらな…、ッ!」


 なんの甘さかは分からなかった。だけど確かに、その口の中はすべて甘かった。
 だから体も甘い気がして、首筋を舐めた。


「…あま」
「ぁ……は…っ」


 また、頭の端がチリッとした。それからどんどん強くなって、次第にビリビリとした僅かな電流を感じて。


「ちょ、…ま、っ…!」
「だーめ。満たしてほしいんだろ?本能でぶつかってみろよ」
「……っ」
「二時間だけだろ。…オレも本能でぶつかってみたいんだよね」


 なんで二時間なのかは自分でも分からなかった。ただそれが一番キリもよかったのかもしれない。
 オレはお前と本能をぶつけあったらどうなるのか知りたかったんだ。


 真っ直ぐに見つめてくる寂しい目をしたそいつは、小さく「わかった」と言って頷いて。
 オレは無意識に笑っていて、またその唇に噛みついた。








「あ…、はっ、」
「もっと、こっち」
「んん…っ! ふぅ、ぁ…」


 会話にならない、言葉にならない声が部屋に吐き出されて消えて。籠った空気とにおいが刺激に上乗せしてる。

 泡がたつほど掻き回して、硬くなったり軟らかくなったりを忙しなく繰り返すソレを撫でて、掴んで、かわいがるように。


 見たことない表情と聞いたことのない声をもっと引き出したくて、容赦なく攻め立てて、そしてそれに溺れた。


 

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あきゅろす。
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