04
硬いぺニスはまだ中に入ったままだ。
「小宮…」
「……んで、なんで、取ったの、」
僕は泣いていた。自分の声を聞いて震えていたから泣いている事に気が付いた。
トモダチの声は小さくて、何度も何度も名前を呼んでくるのに聞きたくなくて「どうしてだ」とひたすらに嘆く。
しかしそんな嘆きも、トモダチが押し込んできたぺニスの衝撃で無理矢理止められて、更に今までずっと耐えてきた叫びのような喘声を吐き出してしまった。
「ア゙、あぁッ、うぁ、あ、…っひ、んん、」
「ふ…っ、小宮、」
奥まで抉るぺニスと出し入れされる度に擦れる前立腺の刺激があまりにも強く、肌がぶつかる音と一緒に喉が震える。
声の止め方が分からなかった。
塞ごうとした両手はトモダチにベッドへ押し付けられて、口を閉じていたいのに勝手に開いて閉じてくれない。
なんで沢田は僕に触れて僕を見て僕を呼んでいるんだ。
「あっ、や、〜〜ッ、ア…っ」
「…小宮、俺は今までずっと目隠ししてたけどさ、」
抜けそうなくらい出ていくぺニスを追いかけるように腰が揺れる。しかし直後に押し込まれた塊に顎が上がり、滲んだ視界が開けた。
「ぅあ、あ、おく…っやだァ…!」
「最初から、お前以外に、誰も想像してねぇから…っ」
「ぐ…ッ、あっ、あっ、も、や、あ…〜〜っ、やら、イ…ッた、もぉイった、からぁ!」
動きが早い。刺激が強い。苦しい、気持ちいい、チカチカする、沢田が何か言ってるのに分からない。
ぺニスを触ってないのにイって、イったのにまだ抉られて強すぎる快楽に体が逃げ出そうとするが、押さえ付けられて逃げられない。気持ち良すぎて弾ける。
「小宮、っ気持ちいい? なあ、顔とろっとろだけど、本当に、やめていいの…っ?」
「んん、ぅ、あぅ、あ、また、でる、やだ、やめな、でぇ…ッ」
もう訳が分からなかった。訳が分からないのに、沢田の声色が甘すぎて、ぼやけて揺れる視界の中で喜色の目をしてる気がして止められない。止めてほしくなくて、指を絡めて繋がれた手に力が入る。
衝撃もその音も激しい。どうにかなってしまう。もうなってるのかもしれない。
「俺さ、っ、お前が俺の事好きだって、知ってた」
「〜〜っんん、はぁっ、あ、あ…!」
沢田の声が聞こえる。
「彼女がいるとか、うそだよ、」
ずっと何か喋ってる。
「だって、俺は、お前よりも前に、好きになってるから、っ、」
いつから夢なんだ。
「そりゃ分かるよ、見てればさ、でも俺は試したんだ、お前の気持ち」
「ぬけ、ぬけちゃ、う、あっ〜〜…ッ!」
どこが現実なんだ。
「だからアナルセックスとか言ってみたんだけど…っ、ねえ、小宮、」
「ぁ、は…はぁ、ん、」
肩から足が落ちる。
間近に沢田の顔があって、しゃべる度に僕の荒れた息と沢田の息が混じる。
「───…好きだよ」
「っ、んっ…!」
柔らかい唇の感触が合わさった。奥まで押し込まれたぺニスは脈打ち、汗に濡れた髪を梳く指が肌を撫でた。
熱い舌まで口の中を撫でて、唾液が混ざって間から溢れていくのを感じた。
何度も夢を見た。何度も妄想した。この空想たちがただの夢物語であると分かっているから、好き勝手に沢田を作り上げては何度も何度もセックスしてた。
これはどっちだ。
僕が作った沢田が今までしなかった言動をしている。もしこれが実説になるのなら、僕はこの世界から出たくない。
そんな事を考えて、途中で落ちた。
目が覚めると真横に沢田がいた。じっと僕を見つめていて、起きた事に気付いたら何も言わずにキスをして、優しく笑って言うのだ。
「夢が現実になった」と。
END
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