[携帯モード] [URL送信]
タイムリミット【チャラ系×根暗】
 


 普段互いに関わりのない、なんの関係も見えない、そんな二人。
 誰も知らないし、知られたらあっさりと終わる。そんな関係。

 この関係に、果たして愛はあるのか。


 いや、そんなもん、もはや愚問だ。
 愛などという曖昧なものほど、人を破壊する。











 

 (生)真面目、がり勉、優等生、眼鏡、根暗、平凡。
 そんな言葉を身体中に貼り付けたような印象を抱かせる、俺。聞き飽きるほどの言葉と、慣れすぎて聞こえなくなった陰口。
 劣等感からの嫉妬か、暇なのか、他人を複数で罵らないと生きていけないのか、それとも全てに当てはまるのか。

 直接的な被害は、あまりに無反応で無関心だったせいで三日で終わった。三日坊主がそこまで浸透すると学生であることもすぐに飽きていそうだと思った。それだけだった。

 被害にあった学校の所有物は無惨な姿になり、後に使われていくはずの未来を失った。こうしてあいつらは生きている間にあと幾つの未来を断ち切っていくんだろう。
 無邪気に笑い、罪悪という言葉を抱かずに残酷に切り捨てて。
 モノに抱く罪悪なんて、人に抱く罪悪なんて、当事者の脳みそが都合良く変換して隠されているんだろう。


 自分もそうであるように。
 自分も同じ人間であるように。


 切り捨てて求めて手にして満足して、繰り返していく。それがモノでもヒトでも。


 だから「愛」なんて言葉は、点在する言葉の中で酷く曖昧なもので。
 それを信じて抱くことで、善悪が生まれるように、裏切りも依存も束縛も嫉妬も優しさも厳しさも辛さも幸せも、人間の感情にある全てに繋がる「愛」というひとつの根元を消し去ることはないのだ。


 だから。





「ッ、…もっとこっち、こい」
「───うぁッ、やっ」



 だから、この関係が「愛」に繋がることは決してない。
 二十四時間のうちの二時間を使った、ぶっ通して行われる本能のぶつけ合いには、情なんて殆どないのだから。


「あっ、く…るし、い、」
「詰めすぎて、腹一杯の苦しいだろ…っ」
「ぅん…ッ!」


 ベッドの上、シーツを越えて敷き布団まで濡らす汗と粘液が全身にへばりついて、次から次へと溢れては下に染み込んでいく。


 


[次#]

1/28ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!