03
ここ最近そういうのなかったから、つまんなかったんだよね。
そういうわけで千春先輩には悪いけど、…悪いと思ってないのはさておき。
「一般の人入れるの?」
「睦月、まさか行く気…?」
「おん、チケットやるから来ぃやー」
「まじで!」
千春先輩の声はスルーさせていただきます。後が怖いけど。
飛鳥ちゃんは黒の長財布からチケットを一枚取り出して、目の前に差し出してきた。
ブランドモノの革の長財布って、結構金持ちなのね。
卒業したんじゃないの?
ま、いっか。なんか仕事、ホストとかしてそう。
そんな飛鳥ちゃんのイメージは置いといて、受け取ったチケットはシンプルな白。
「一枚で四人、行けんねんで」
「へぇー」
一人一枚じゃないんだ。
そういうもんか?
四人、微妙だ。あれか、ダブルデート用?
「ありがとー飛鳥ちゃん」
「ええねんて」
ふふん、楽しみが一つ出来た。
泉のいる高校、普通に素で行ってもいいんだけど、あぁ千鳥とか千世とか一緒に行きたいな。
けど黒猫と一緒にいるとこ見られてるから、なんか勘付くかもなぁ。別にバレでもいいんだけど。面白いから。
うーん。
無駄に聡い飛鳥ちゃんとか、いつも一緒にいるらしいあと二人も来るらしいし。
でも初代と二代目のお気に入りとか何とかって、確か神威が言ってたから別に一緒にいても違和感はない、はず。
めんどいな。
別にバレないようにしなきゃいけないわけじゃないし。
「ほな、俺はこのへんで」
「あ、はいはい」
「適当やな。待っとるよ」
「ういー。お会計忘れずに」
「おん」
一応お客さんなんで、金取りますよ。
お会計の相手は千春先輩。
超不機嫌。
エプロンのポケットに貰ったチケットを入れてカップとソーサー、皿を引いて洗い出す。
文化祭かぁ…。どーすっかなあ。
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