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02
 



「はい、お待たせしました」
「おおきに」



 注文品、コーヒーとサンドイッチ。
 ちなみにサンドイッチには色々種類があるんだけど、なにも言わないから適当に野菜サンドイッチ作った。

 千春先輩が僕が作るよ、なんて爽やかな笑顔で言ってくれたけどだがしかし、絶対1番高いサンドイッチ作るか何か仕込むかしそうだから笑顔でお断りしました。



「で、用件は?」
「なんや分かっとんのかい」



 そりゃあ、昼飯食って帰ってもいいけど。
 何か用があって来たんだろうし。
 どす黒い千春先輩を傍らに、聞きたいような聞きたくないような気持ちになる。



「俺らの高校が泉と一緒なん、知っとるやろ?」
「……まあ、」



 一瞬すっ飛んでたけど。
 そういや一緒だったなあ、なんて。
 あれ?在校生じゃないよね飛鳥ちゃん。



「一週間くらい後にな、文化祭やるんよ」
「へぇ」



 そんな話聞いてないけど。
 来んなってことか泉。

 サンドイッチを咀嚼しつつ、なんだかご機嫌な飛鳥ちゃん。
 そうかそうか、サンドイッチ美味いか。
 なんつって。
 食べもの口に入れたまま喋らないあたり、ちゃっかりしっかりしてんのね。



「睦月を誘おう思うてなぁ」
「断る」



 俺が返事する前に千春先輩が速答して下さいました。
 個人的な意見ですね。
 まあ、あんなことあった後だし疑わない方がおかしいかな。



「また監禁?」
「んなわけあるか」



 ありゃ、真顔で返されちゃった。
 純粋に誘いに来たらしい。

 でもさ、俺には保護者的オニイチャン的立場な人達がこの店にはいるわけで。



「行っちゃダメだよ、睦月」
「あんさんには言ってへんねんぞ」
「つまみ出すぞ」
「短気やね」



 今日何回火花見るんだろ。
 ばちばち鳴ってる気がするんだよね。

 文化祭かあ。
 泉の行ってる高校の文化祭。
 あの容姿にして有名な不良。
 高校のクラスメートや後輩やらに告白される事も少なくないらしい。
 平々凡々な俺が一緒にいれば、それだけで少なからずファンから白羽の矢が立つ。


 あぁ、やっべ。楽しそう。


 


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