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 流石高級マンションなだけあるよ。
 風呂が広い広い。
 いつもこの風呂に入ってる千世になんか羨ましさを抱いたわ。



「睦月、体洗う?」
「おーう、洗いっこしようか」
「する!」



 なにこの犬、超ハイテンション。
 そんな嬉しいのか、目がきゅるきゅるしてるんだけど。ぶんぶんとはち切れんばかりに振られてる尻尾が見えるよ。

 あわあわなタオルであわあわになって。
 時々ちゅーされるけど。
 甘い。甘すぎる。
 気持ち良いくらい甘い。
 キスをするにも愛撫するにも、ねちっこい感じじゃなくて、ねっとりどっぷり深い感じが良い。



「睦月、」
「……ん、」
「むつき」
「なーに、ちせ、」
「好き。睦月、だいすき」



 確かめるように触れて来る手が、唇が、息が。
 甘くて甘くて、どろどろになりそう。
 蕩けるような笑顔が、愛おしい。


 たっぷり1時間以上入って、気づけば3時手前。
 引っ付く千世を引きずりながら、リビングダイニングに入れば変わらない位置にある柔らかいソファーに優雅に座ってる男前がいました。



「長すぎ」
「てへ」



 ついどっぷり浸かっちゃって。
 なんて言えば溜息。 意味を分かってるから。
 二年も会わなかった俺に千世がなにをするのか。
 二年前も同じような感じだったけど、会わない期間の分だけべったりどっぷりだからね。



「一日居んの?」
「いるいる。休みだから」



 そう言った時の千世の顔は、凄まじい程に破壊的な笑顔だった。

 千鳥の隣に腰掛けて、点いてるテレビに目を向ければ深夜特有の番組が流れてた。
 千世はソファーに座らないで俺の後ろにいて、タオルで髪の毛拭いてくれてる。


 懐かしい。
 たまんないよ、癒しが凄い。
 犬とか猫がα派出してるってのはこういうことだよね。リラックス効果。
 千世の手で、柔らかく優しくタオルが髪の毛の水分を吸い取っていく。
 きもちいー。眠れるって、まじで。

 部屋も変わってないのかな。
 寝るとき分かるからいっかー。



「仕事でいないから、好きに使えよ」
「りょーかい」



 てか仕事って。
 寝なくて良いのか?
 まあ、何時からとか言われてないから多分起きた時にはいないんだろうな。
 二年前を思い出すね。


 


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あきゅろす。
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