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「───じゃあ、また顔出せよ」
「気が向いたらねー」



 午後から午前に変わった少し後。
 千世のさりげない催促と千鳥の一言で、店を後にいざ久しぶりの朝比奈家に行く事になりました。

 朝比奈家っつっても千鳥一人暮らしだけどね。
 今は千世がいるから、一人暮らしペット付きでみたいな。


 つか焔紀の『また』って事は強制ですよね。確実にまた絶対来いってことだよね。
 気が向いたら来ますよ、そこんとこ分かってると思うけど。


 【四神】は全員手を挙げただけだった。あからさまに手を振られてもびっくりしちゃうけどね。

 【狂犬】はずぅっと鋭い視線を千鳥に向けてたけど、何も言わなかった。
 うざがられちゃうぞー。
 千鳥気にしてないっぽいけど。

 俺は千世と手を繋いで、ちなみに恋人繋ぎで千鳥より先に店から出る。
 すぐに千鳥が出てきて、被ってるフードの上から頭をぐしゃぐしゃされました。



「行くぞ」
「うい!」



 久しぶりだなあ。
 千世を見つける前に、家出してた時置いてもらってしばらく住んでた千鳥の家。
 家賃いくら?ってくらいの高層マンションに住んでる金持ちですよ。出すとこ惜しまない格好良すぎる男です。
 千世を見つけてからもしばらく一緒に住んでたし、躾とかしなきゃいけなかったのもあるけど居心地良くてね。


 あの家じゃないのと、落ち着ける人間の家っていうのが更に相乗効果みたいなものを出してくれたわけですよ。

 ペットは癒しだからね、超癒されてたからね。至れり尽くせりな感じもたまらないです。いやまじで。


 楽しみだな。
 千世は俺と一緒にいられるのが嬉しいみたいで、ずぅっとにっこにこしてるし。
 なにこの可愛い犬。


 千鳥が運転する車の後部席に二人で乗って、靴を脱ぎ足を席に上げて横向いて、俺は千世の腕の中。癒される。
 包み込まれる感じが良い。
 俺より背が高いから、しっかりすっぽり包まれる。
 つかまたガタイ良くなってない?
 何したの千鳥。何もしてないんだろうけど。


 車の中じゃフードをとってるから、黒髪紫目がフルオープン。
 家行ったらお風呂借りよー。


 


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