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 千世を起こして、顔を洗ってご飯食べさせて、午前中の内に家を出た。
 ちなみに合鍵は俺も持ってるけど千世も勿論渡されていて、チェーンに繋いでスボンのポケットに入れてる。

 陽射しが暖かいから、千世にはタンクトップとグレーの薄いニットカーディガンを着せた。
 安定の美形。何着ても格好いい。
 ちなみに俺はお揃いで黒いカーディガン着用。

 どっちも千鳥が買ってた。センス良すぎる。
 何着ても格好いいとは言うけれど、千世の服は全部千鳥の買ってきたやつだから似合うのは当たり前。
 犬の服なんかなんでも良い、とか言っておきながらこういう粋な事するんだから。



 ちょっと風が涼しい外はまさにお散歩日和で、近くの商店街に行くことにした。
 雑貨屋もあるから、そこで千世に使うヘアゴムとかピンとか何か物色しようと思いまーす。あと食べ歩き。



「いい天気だねえ」
「お散歩楽しい」



 視線がウザいからって無表情に近いくせに、頭の中は楽しいでいっぱいらしい。
 表情に変化がなくても雰囲気で何となく察してた。千切れんばかりに尻尾振ってる幻影とかね。


 どんなヘアゴムにしようかな、なんて雑貨屋の店内を物色中にも、やはりというか誰もが千世に目を向ける。

 カップルの彼女も見惚れちゃってさ、まあ見惚れないわけないよね、こんな銀髪の美形現れたらびっくりするよね。


 最近のヘアゴムは種類が豊富で、シュシュもあったけどすぐ取れそうだったからやめた。
 ポンポンも単色だとつまらなくて、蛍光色の黄色とオレンジのポンポンがついたヘアゴムを発見して、銀髪に映えるかなー、なんて思って購入。

 ついでに女子小学生が着けてそうなプラスチックの飾りが付いたやつも買った。


 千世にアクセサリーは付けさせてないけれど、そのうち何かネックレスとかチョーカー着けてみようかなーなんて考えつつも店を出た。
 時刻は昼時。

 喫茶店は混み混みなので、商店街の醍醐味とも言える食べ歩きに決めていた。

 揚げ物とかクレープ、アイス、カットフルーツを売ってる八百屋など色々あるから、ここの食べ歩きは結構好きだ。



「果物でも食べよっかなー」
「たべよっかなー」



 おうむ返しかわいー、なんて思っていたら、目の端で何かを捜しながら走り去る複数の若者が見えた。


 鬼ごっこ、楽しそうね。



 


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