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集会は終わってるけど、みんな【白猫】をどう捕まえるかとか仲間に連絡してたりとか様々で、千鳥が気だるげにカウンターに戻ってくる。
「おつかれさま」
「お前らのゲームは終わったか?」
「ありゃ、聞こえてたの」
地獄耳か何か?
「犬がこっちに意識向けてりゃ気付く」
「あー…」
なんと鋭い。
普段千世は俺にしか意識を向けていないのに、さっきは集会の方に向けていた。
それは俺が千世に何かを促している証拠だ。
まあ千世と一緒に暮らしてるからってのもあるんだろうけど、それにしても素晴らしい鋭敏さですこと。
「ちょっと捜しものをね」
「で、捜し物とやらは見つかったのか?」
「うん。すぐ終わった」
実は始めてすぐ、千鳥が賞品がどうとかの話をしている時には見つかってました。
千世が本気になったらゲームにならん。
「だから明日は朝から帰るまでイチャイチャしてまーす」
「いつもじゃねえか」
「はっはっは」
いやいや、何も言わずにイチャイチャするのと言葉で確定させるのとじゃ違うからね。
なんせ何も言わなかったら俺の気分次第なんだから。
でも明日は俺の気分に関わらず千世とお散歩デートするし、夜までイチャイチャします。
最近二人でお散歩出来てなかったからね。ポンポンついたヘアゴム買いたいし。
「【黒猫】は【黒猫】でお遊びですか?」
「俺とも遊ぼーよー」
「お前そんなヒマねーだろ」
「「お仕事いっぱいだよ」」
背後からの声に振り返ると、【RAIN】の面子が勢揃いしてた。
でもどうやら帰るらしくて慧が「もっとお喋りしたい」なんて駄々っ子になってる。
「もう帰るの?」
「ええ、一緒に居られないのはとても寂しいですが。また今度二人でお話しましょうね」
「お話じゃ済まないような気がするけどね」
「そうなっても、いえ寧ろ大歓迎」
「「はーい、まこっちゃーん帰るよー」」
相変わらず俺との会話には饒舌な誠だったけど、容赦なく双子に引っ張られて行った。
「【白猫】の後ろに関してはこっちで調べておくからねー」
「鬼ごっこはしないの?」
「そっちに興味ないかなぁ、どちらかと言えばその後ろだね」
「ふーん」
まあやってくれんならすぐ見つかるだろう、とお任せして帰っていく慧達を見送った。
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