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 結局全員が起きたのは午後になってからで、のんびり朝食兼昼食を摂った。
 その時に焔紀からのメールの話をしたら、前以て言わなくても一緒に来るだろ、と予想通りの言葉が帰ってきました。


 出掛ける時間まで千鳥とイチャイチャしたり、それに千世が嫉妬して千鳥とプロレスごっこ始めたりで過ごし、起きたのが遅かったから気付けば外は暗くなって。

 今日はちゃんと【黒猫】で行こう、と黒染めしてもらって、カラコンも装着した。
 つっても見せないんだけど。



「千世、前髪上げよっか」
「?」



 切ってないから目が隠れるほど伸びた千世の銀髪をピンで止めると、きょとんとして可愛い顔で首を傾げられた。
 あざと可愛い。
 あざとさなんか無いんだけど。

 ポンポンついたヘアゴムでちょんまげ作りたかったけど、ピンしかなかった。
 切る前にやりたい。
 今度買いに行こう。



「見て千鳥、ちょー可愛くね?」
「親バカ」
「なんとでも」
「睦月のがかわいい!」



 コイツ自分がかわいいって認めた上でフード被って顔見えない俺を可愛いとか、どっかの性格悪い女子みたいな事言いやがった。
 いや、俺が可愛いって言ったからなんだろうしコイツの価値観は飼い主が唯一で、ぶっちゃけそう育つようにしちゃったの俺なんだけど。


 我が愛犬ながらとんでもない価値観を持った可愛いが過ぎる千世と手を繋いで、呆れた顔した美男の背を追った。



「そーいや、忙しいらしい【四神】は来るの?」
「来られねぇってよ」
「あらー。ホントに忙しいんだ」
「まあ、出なくても話は通る」



 確かに。
 どんな些細な情報でも、双子がいつの間にかそれを手に入れていたり焔紀が教えてたりするし。
 10月だけど卒業近いからやることいっぱいあるんだろうなあ。

 ふらふらと繋いだ手を揺らしながらそんな事を考えていたら、千鳥が「ただ、」と前を向いたまま呟いた。



「偽物が捕まった時には出てくるだろ」
「あー…」



 面白がってそうだもんね。
 特に神威と棗は。
 それに引っ張られるのが八雲と社の二人なのは目に見えてる。


 たぶん朝に焔紀から送られてきた返信の内容も、あいつらは既に知ってるんだろうなあ。



 


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あきゅろす。
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