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横向きの視界に入ったのは、これまたびっくりタイプの違う美男三人。
茶髪黒目の俺様系と、金髪茶色目関西鈍りと、長めの黒髪ウルフに黒目の、他の二人と大差ありすぎる所謂Ｖ系って感じの美男。
え、なにこの美形率。俺の周り美形率高くね？面白いからいいけどさ。
高校生か大学生くらいの三人。
全員すらりと長身で、まあメタボはいないわな。
「堪忍な、お前使わせてもろてるわ、今」
…は？
なにそれなにそれ、使用料とりますよ。
じゃなくて。
しゃがみ込んだ金髪と目線が近くなる。
反応がない事に驚いてるのか、意外そうな顔をした。
「なんや意外。冷静やね」
「いや、これでも驚いてるんスけど」
びっくりどっきりだよね。
なにに使われてんだか。
「───お前はエサだから」
上から俺様系の低い声。
てか、あのＶ系のオニイサン壁際で座って寝てるっぽいけど、いいのか？
放置でいいのか？
いやそれより、
「……えさ？」
なに、俺おいしく頂かれちゃうの？
やっだ、おいしくないのに。
変態ってやっぱり人喰ったりすんのかね。変態ってか、サディスト？
本来サディストってのは人殺しだけど。性的にいたぶり殺すやつ。ちなみにすんごい昔のサディストの殆どが金持ちで同性愛者だとか。
まあ、今じゃＳＭプレイとか生易しくなってるけど。
話逸れた。
エサ、ね。
「やっぱり喰われんのかな」
「ちげぇよアホ」
ですよねー。
ナイスツッコミ！茶髪オニイサン！
あ、溜息吐いちゃってるよ。失礼ね！
「本当にコイツか？」
「……なんや、俺の情報信用ナシかいな」
「今てめぇも疑ったろ」
えー、自分の情報疑うとか。
人違いでした、とか？やーい！ばーかばーか！
…ってなに心中で馬鹿にしてんだろ。
「釣れんのかよ」
「さあ？」
おちゃらけ金髪への睨みがすごいよ。
スルーしちゃってる辺り、慣れてるの？いつもそうなのか？
てか釣るって。
エサとか釣るとか、なに人間じゃねーの？俺の思い込み？
「コイツ餌に【狂犬】釣るっちゅうても、ほんまなんか微妙やなぁ」
「ざけんなハゲ」
「ハゲちゃうわ！」
金髪の言葉の中に、聞き覚えのありすぎる単語があった。
けど反応はしない。
とりあえず、夜の世界に絡んでるらしいってのは予想範囲内かな。
てか焔紀来訪のすぐ後にこれって、もしかしてバレてる？
…いやないな。多分それはない。
だって名前呼ばれてない。確信もないけど。
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