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04
 


 ───二年前の事なんて、あんまり覚えてない。
 ぶっちゃけダラけてただけで、自由気ままに過ごしてたら変なあだ名みたいなもん付けられてた。
 それに気付いたのはいつだったかなー。

 あの頃は夜型人間だった。
 中卒で仕事もしてなくて、なんかダメ人間まっしぐら!猫まっしぐら!みたいな。
 ちなみに夜型になった理由は、小さい頃からよく構ってもらってた近所のオニイサンが、俺をよく遊びに連れて行ってくれたからだ。
 特に良く行っていたのが不良のたまり場ってやつ。
 そこにいる人達は、所謂下の人たち以外美形で。
 今とそんな歳変わんないのはさておき、幼いながらもなんだこの美形率、なんて思ったのは良い思い出だ。


 なんてのは現実逃避です。



 目の前には、しばらく会ってなかった幼い頃から仲良いオニイサンの一人。
 わざとなのか天然なのか、所々跳ねた短めの黒髪にどこぞのメンズ雑誌のモデルよりも当然のように更に上をゆく美形。
 なんだろう、だらけた感じがちょっと蓮さんに似てる感じ。

 ちなみにこの美男、現在関東に存在するチームのトップに君臨する馬鹿でかいチーム『tutelary』の初代総長で、確か今はこの人の親友が二代目。
 ちなみにちなみに、その親友とも仲が良かったりする。
 たぶん先に出会った焔紀よりも。
 色々とお世話になってる。最近じゃ、めっきりすっかり連絡もしてないなあ。

 うんうん、懐かしいね。



「おい、戻ってこい。……変わんねーなお前」
「…ていうかなんで此処にいるって知ってんのさ」



 カウンターに腰掛けた美男、天王焔紀にコーヒーを出す。
 コーヒーでいいんだよね、うん。
 普通に飲んでるから大丈夫。よし。



「そうふてくされんなよ、お前のセンパイに聞いたの」
「……は?」
「まあ、聞いたのは外見的特徴だけどな」
「……はあ?」



 ちょ、声上擦ったよ今。
 笑ってるよこの人。
 そういやこの人もS属性だった。
 いや、うん。これでMとかだったらマジでびっくりするけどね。
 え、まさかのギャップ萌え?ギャップ萌え狙ってんの?みたいになるよ。いやマジで。


 


 とりあえずさ、色々気になる言葉はあったけど重要な事があるんだよ。



「で、なにしに来たの」
「冷てえ事言うなよ、仮にも先輩に」
「え、なんの話?」
「……相変わらずだな」
「褒めてんの?」
「もちろん」



 …嘘だ。絶対嘘だ。笑ってるし。
 この笑顔は面白がってる時の笑顔だ。
 世の女性をメロメロにしちゃう感じの、悪戯な笑顔だよ。



「外見的特徴ってなんの話でそうなったわけ」
「ああ、色々な。まあ、お前狙われてるらしいぜ?【狂犬】の関係で」



 聞き覚えのある単語があった事はまあ、別に気にしない。
 気にするべきなのは、狙われてるってところかな。

 とりあえず、誰に?


 


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あきゅろす。
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