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あれから半年。まだ半年。
ぶっちゃけ濃すぎて一年経ってる気になってた。
御景の手により失われた『tutelary』のたまり場を焔紀は建て直さず、なんと『R』が新しいたまり場に決定した。
閉店後三十分過ぎてからって約束で。
俺は蓮さんと焔紀が知り合いって事にもびっくりしてたけど、今回の話を蓮さんが許した事に更に驚いた。
バイト先は、以前よりもっとずっと賑やかで、時々騒がしくて楽しい。
この先俺は、色んな人達とまた沢山関わっていくんだろう。
死ぬまでこの性格を引き連れて、変わることはなく。今でも恋愛感情なんてのはない。
それでも色違いの愛情はあるから、他人からの愛情を受ける事も与える事もできる。
大切な人達もいる。
俺は多分、唯一の誰かを見つけるまでこの愛情を飼い殺して、美形過ぎる男前ばっかりの環境の中で与えられる愛情に甘えて受け入れるんだ。
だけど例え俺が唯一の誰かを見つけたとしても、俺は何も変わらないような気がする。
今までもこれからも、変わらないままで生きて死んでいく。
それでいいよ。
それって幸せじゃん。
「───久しぶりだなぁ」
アンティーク風の外観。
手入れされてる花壇。
買い出しの時にだけ使われる自転車。
俺はここに居られる限り居るつもりだ。
- ちりん
懐かしく感じる音。
すぅ、と息を吸い込んだ。
「おはよーございまーす」
「おかえりなさい」
「おかえり、睦月」
「…はよ」
「よォ、遅かったな」
「ぇ、みんないるの…?…ぁ、いや、えと、」
自然に口元が緩んだ。
『───笑顔で来るんだろ』
「ただいま…!」
──────END.
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