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04
 



「おい」
「……んー…」
「睦月、起きろ」
「…んぅ…」
「喰うぞ」
「…んんー……」
「よし分かった、喰われたいんだな」
「…ん、……ッ!おっはようございます!」
「……チッ」



 ばっちり目が覚めたぜダーリン!
 舌打ちなんか聞こえないぜ!



「忘れんなよ」
「……あ」



 そんなダーリンの一言で、寝ぼけてぼんやりしてた脳みそもイイ感じに稼働し始めて思い出す。

 十二月三十一日、大晦日。


 結局クリスマスは俺の体の安静だとかなんとか言って、動けるのに動かせてくれなかった妙なクリスマスパーティーをした。
 着せ替え出来なくて渋い顔してた慧はその日の帰り際に、年明け後は覚悟しといてね、なんて妖しい笑顔で言われた。


 あの監禁から三週間目、焔紀が様子を見に病院に行くと、看護師から朝霧御景は数日前に退院していると言われたらしい。
 御景は誰に言うでもなく姿を消した。
 だから誰も、どこにいるのかも分からないし連絡も取れない。
 行方も生死も不明。
 本人も、俺も、それでよかったのだろう。


 そして今日。大晦日。
 たたき起こされて午前11時半。寝るの遅かったからね。色々と。
 犬がホラ、色々と。


 紅白を見ずに年越蕎麦もお預けで、日付が変わる少し前に千鳥と千世と焔紀と初詣に近くの大師へ赴く予定だったりする。


 腕は相変わらずな傷痕だけど、目立たなくなってきた。包帯も取れて素肌万歳みたいな。



「買い出しだっけ」
「あぁ。犬起こせ」
「らじゃー」



 それまでは大晦日は夕方までしか開いてないスーパーへ買い出しとか色々。
 三が日中はお休みらしいから、それまでの食料とか。沢山詰まってた冷蔵庫の中がすっきりだったからね。


 お節はなんと千鳥の手作り!
 どんどんぱふー。
 うんまいんだよなぁ、素朴で。
 ついつい食べすぎちゃったりしてさ。



「ちーせー」
「…っ、……ん、」
「おはよう」
「……おはようっ」



 なんかスッキリした顔してんねお前。
 可愛さが増してるのは俺の気のせいか?



 


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