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01
 



「全身打撲?」
「そんくれーで済んだんだ。有り難く思えっつんだ」
「……で、意識は?」
「さぁな」



 え、ちょ、焔紀さん?病院ぶち込んだって言ったじゃん。



「……そういえば、どうして入れたの?玄関鍵かかってたよね?」
「あ?…どうって、カギ開けたんだよ」



 開けたって、え?それって、



「……所謂ピッキングというやつですか」
「ハッ、今時警察だって緊急時にゃピッキングくらいするんだよ」
「……へぇ、」
「馬鹿の話を鵜呑みにするな」
「んだと!?」



 なんだピッキングしないのか。



「でもさぁ、むっちゃんの左腕と若干の栄養失調とか多量出血とか色々合わせて全治三ヶ月って、どうなの」
「ぇ、いやどうなのって…」



 栄養失調かどうかは疑問だけれど。
 左腕の傷と出血量以外はどれも軽症だし、ほとんど腕の治療期間かと。
 すると、その隣ではりきった声。



「悪いに決まっているじゃないですか!大怪我なんですからね?ここはこの宮西誠の全身全霊を持って睦月の看病を…!」
「いや遠慮しとく」
「そうそう似非紳士は黙ってー」
「そうそう似非紳士は黙ってー」
「どうでもいいし、うるせぇよお前ら」

「てゆか、キミら学校は?」




 三日間の監禁から、二週間が過ぎた。
 その二週間の内最初の二日は入院で、その間俺はずっと眠っていたらしい。
 起きたら病室とか、なんかドキドキしちゃったよね。


 で、今現在は病院が近い焔紀の家。
 古風な平家。
 しばらく通院だからね。全治三ヶ月って言われちゃったし。医者の治療が不要になるまでの目安三ヶ月。
 で、少しの間病院に近い焔紀の家でお世話になる事になりました!



 そしてそして、平日なのに寝室にいる現役高校生五人、しかも生徒会。
 八雲、棗、神威、社は俺が入院中に学園へ戻ったみたいで、四人揃って週末にお見舞いに来てくれた。






 あれから御景は俺が通院してる病院とは違う病院で入院中らしくて、まあ焔紀の話が適当過ぎて意識がどうとか詳しくは分からない。
 退院してるかもしれないし、まだ入院中かもしれない。

 全身打撲ってどんくらいで治るんだろ。



 


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