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 俺は自分がやろうとしてる事は変えない。それがエゴだとしても。


















 都会的な雰囲気から外れた、自然が目立つ場所にある古風な平屋。
 そこが焔紀の家。



「おー、来たか」



 玄関前で変わらない笑みで出迎えてくれた焔紀の右腕には、手首から肘の少し上まで包帯が巻かれてた。



「……腕、どう?」
「まったく問題ない。気にすんな」



 立ち話も難だから、と居間に通された。
 縁側が見えて、あそこで昼寝したら気持ちいだろうなぁなんて思う。



「よぅワンコロ。随分落ちてんな」
「………」
「まあ、ね」



 相変わらず背中に引っ付いてる千世を見ながらも、返事はないと分かってて言ってるよな絶対。



「焔紀、やっぱ傷残るの?」



 千鳥は縁側にいる。
 柱に寄り掛かって目を閉じてるけど、会話は聞いてるだろう。



「あぁ、薄くはなっても目立つだろうな」
「……そか、」



 無意識に頭を下げていたのか、頭に手が乗った感覚がした。



「こんくれーで済んだし、死人もねぇ。怪我も俺だけだ」
「……うん」



 そう言われても、結局怪我人は出てるわけだし。



「睦月、」
「うん?」



 少しだけ声が重くなった気がして、顔を上げたら焔紀と目が合う。



「早まったことすんなよ」
「……」



 一瞬、何のことだか分からなかった。


 …俺がやろうとしてる事を見通してる。
 だけどそれをはっきりと言わないし止める事もしない、ただの警告のような言葉で。



「……約束は出来ない」
「だろーな」



 嘘をついても意味がない事を知ってる。
 無駄に聡いこの色男と、縁側にいる色男にそんなもん通用しないんだから。
 困ったもんだよな。



「けど、大丈夫だよ」
「……、…そうか」



 わしゃわしゃと髪を掻き回され、にっかり笑顔を向けられてドキッとしたよ俺。



「あいつん家に居んのか?」



 手を離して、寛ぎながらどうでもよさそうに聞いてきた。
指差してるその先には、千鳥。



「うん。帰ったってカンジ」
「何だよ。俺ん所くりゃいいのによ」
「お前の所なんかにやるかよバカ」



 やっぱ聞いてたよ千鳥。俺より先に即答したよあの人。


 


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あきゅろす。
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