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いや、うん、そんな今にも舌舐めずりしそうな表情で見られてるとさすがに危機感が、ね。しかも一人だけじゃないとか。
…俺のメイド服姿はそんなにそそるもんなんですか。
黒い生地に白フリル。
膝より上の丈に、ニーハイ。
そして何故かヘッドドレスと一緒になってる猫耳。
「やっぱりそれが一番バランスいんだよねー」
ふんふん頷き、撮った写真を確認してる慧。
俺も、着心地とかそーゆうのはともかく、客観的に可愛いと思うよ、このメイド服。
鎖骨がばっちり見えてて、覗けそうで覗けない長さの丈はそそるよね。
「でもさぁ、俺にメイド服ってどうなの?」
なんで着せたがるんだか。
そう言ったら、お前それマジで言ってんのかみたいな目線がビシバシ。
「なーに言っちゃってんの。メイド服は常識っしょ。それに、むっちゃんが着ることに意味があるんだって。癒し癒し」
「…そうですか」
そんな当たり前じゃーん、みたいに言われたら俺の常識が間違ってるみたいに思えてきた。
間違えてないよね。
メイド服は普通女の子着用。
まぁ、可愛いと思ってくれるのは嬉しいけどさ。
嫌がらせで着させるような性格の人間は一人もいないし、着せたいってのは向こうの要望ってことなんだろうし。
「こんなんで癒しになるなら、なんでも着ちゃうぜー」
そう言ったのが間違いだった。
「…………マ、ジ、で?」
慧の目がキラリと光った。
「え、え」
思わず座ったまま後ずさろうとしても、腰にはニッコリ笑った社がへばり付いてて逃げられない。
「さぁさー、皆の意見を聞こうじゃないかー」
ノリノリな慧に、他のメンバーがノらないわけがなかった。
だってまたニヤリってした。
なんなの、もしかして血ぃ繋がってんじゃね?
「白衣」
「だったらナースだろーが」
「チャイナもありだな」
「「睦月いい足だからミニスカがいーなー」」
「セーラーとか?」
「レースたっぷりの白いロリータが似合うと思います」
「…まんまでいーじゃねーか」
「……眼鏡とか、イイかも」
「小道具かー、社いいとこつくじゃーん」
「逆に男物がいい。制服に眼鏡な睦月を押し倒してみたい」
…もう、俺、どうしたらいんだろーか。
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