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「んじゃ、七番!…むっちゃーん、お、い、でっ」



 語尾にハートマークが付いてるようなハイテンションで、慧が言う。
 ちょっと待て。名指しかよ。
 番号だって、と思ってぱっと再度確認したら。



「………」
「お、い、で」



 なに。
 なんなのマジで。どゆこと?

 割り箸に書かれた数字は、七。
 慧を見れば、手招きしている。
 その目はまるで獲物を見つけた蛇。俺は蛇に睨まれた蛙か。

 こいつが何をするか予想が出来ないんだけど、なんでカバン持って立ってんの。



「………」



 割り箸をコップに戻して立ち上がる。



「んじゃ、ちょっと移動しよっか」
「え」



 にっこにこの慧に引かれ、向かうは千世の部屋。
 なしてみなさん無言なの。













 引かれるまま部屋に入り、慧がハイテンションで口を開いた。



「むっちゃんには、これを着て今いるメンバー全員悩殺してもらいまーす」
「ちょっとまてぇぇえぇ!!」



 ガサゴソと慧がカバンから取り出したモノを、思わずひっぱたいた。



「王様は絶対なんだよ!?」
「お前この為だけに始めただろ!?」
「え、当たり前じゃん」



 なに言っちゃってんのー、なんてケラケラ笑ってる慧さん。



「大丈夫大丈夫、似合うって」



 ね、と渡されたその服。
 慧がカバンから色んな小物を出してきて言った。



「ウィッグはいらないか。でもコレは必須だよねー」
「いやいや待て待て待て」



 ん?と振り返った慧は、笑顔。



「俺にメイド服なんか似合うわけあるか!!」
「あるある」



 真面目に返事すんな!

 手渡されたそれは、そう、メイド服。
 純粋に、服自体は可愛いんだけど。



「変に際どいコスプレよか、こっちのが良いかと」



 なんて言う慧を目の前に、俺はお先真っ暗状態。酔ってんの?
 ねぇ、お前酔ってんの?それともまさか俺が酔ってる?



「はい、じゃ、待ってるね!」



 これ付けてね、と指差されたベッドの上。俺はどうやら開き直らなきゃいけないらしい。


 部屋から慧が出て行きドアが閉まった瞬間、俺は思わず膝を付いた。


 


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あきゅろす。
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