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08
 


 疑問を抱いたまま、俺だけ訳の分からないまま何故かスタートしたカオスになる予感のする王様ゲーム。

 いつ用意したのか、というかいつからやると決めてたのか一本に王様、その他一から十一の数字が書かれた計十二本の割り箸を取り出したのは、双子の片割れ、都だった。

 ちなみに千世は不参加らしい。
 なにを察知したんだお前。俺にも教えろ。




「んじゃ、引いてー」



 長めのコップに割り箸を入れ、それをテーブルを囲むように座る俺らが引いていく。

 ちなみに鍋達は片付けた。
 あるのは割り箸が入ったコップと、酒の缶。あとはちょっとしたつまみ。


 全員に割り箸が行き渡り、沈黙。なぜ。
 千世は俺の後ろでおすわりしてる。
 焔紀は右隣に。千鳥は左にいる。



「王様誰でーすか」



 上機嫌で言ったのは帝だった。



「…俺、」



 初っ端の王様の声は、左から聞こえた。



「…チッ」
「あー千鳥か」



 誰だ小さく舌打ちしたのは。
 慧はケラケラ笑ってる。


 とりあえず、なんか王様ってのが似合う人が両側にいる俺の立場。

 王様になったら、一から十一までの番号を選んで命令をするのが基本。指定した番号と王様でも良し。



「………え?…ぇ、なに?」



 …な、はずなんだけど。
 何故か千鳥は、じーっ、と俺の手を見てる。否、手の中の数字が書いてある割り箸を見てる。
 頬杖をつきながら斜めに見るその姿が鼻血モンなんだけど。まさか…。

 いくらなんでも、いくら千鳥でもさすがに透視までは出来ないでしょ。
 無理でしょ。

 だがしかし。

 ふっ、と視線を上げる千鳥と目が合って。千鳥は笑った。
 そして、然も分かっていると言うかのようにはっきりと言い放った。



「八番、俺の脚の間に来い」



 え、ちょ、千鳥さん?
 そんなはっきり言っちゃっていいんスか…!?
 ほかのメンバーだったらどーすんの!?


 そんな思いを知ってか知らずか、千鳥は俺しか見てない。



「俺七ばーん」



 最初に言ったのは慧だった。
 みんな既に見たらしく、てゆか見ないで戻したヤツ居たけど!?


 そして、全員視線は何故か俺。
 特に千鳥からの視線が熱い。

 ゆっくりと割り箸の数字を確認した。



「………」
「おいで、睦月」



 左側の王様の甘い声に、左耳がやられた。


 


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