05
飲み物を用意しようとして、止まる。
「……あれ?酒?」
冷蔵庫の中に、覚えのない酒の缶が詰まってて。
振り返れば、殆どの手元に缶。チューハイだったりビール。
「俺が何もなしに来るわけねーだろ」
口端を上げて言ったのは焔紀で。
全員飲むのを想定した数ですよねコレ。
とりあえず、焔紀と千鳥以外未成年なんですけど!
躊躇いもなく飲んでるんだけど。
いや、うん、まあいい。
未成年の飲酒は禁止です。
「お前は飲むな」
「えー、なんで」
傍に来た千鳥が、冷蔵庫の中を物色しながら言ってきて。俺も飲みたいんだけどな久々に。
そんな思いを込めてじーっと見てたら。
「…飲み過ぎなきゃいい」
「わーい!」
きゃっほう!
お許しが出たので飲むぜ!
俺が好きなカクテル系もあったし、焔紀は飲ます気満々だったようです。
野菜やら肉やら魚やらの大皿を取り出して、千世が火を点けといてくれたらしい土鍋からは湯気。
土鍋の蓋はしてある。
テーブルに皿を置いていきつつ、調味料も置いて、全部揃ったかどうか立ってテーブルを見回す。
……どこ座ろう。
キッチンを背に見た座り位置は、手間左から神威、社、棗、八雲。
俺の場所の向かいに焔紀。
左手前から、翔太郎、都、帝、誠、慧。
俺が今立ってる場所は多分千鳥が座る。
ってことはどこだ?
神威の隣か、翔太郎の隣。
うーん、と悩んでたら、後ろから腕を掴まれて左に押し付けられてしまった。
「お前は俺の脚の間かそこ」
「……じゃあここで」
「…チッ」
千鳥でした。
翔太郎の隣か。無難な所選んだな。
脚の間入るのはいいけど、最初だし。
ぶすくれた千世が渋々神威の隣に座る。千世にも同じカクテル系の缶を渡しといた。酒は初めてじゃないし。
「よし、じゃ、乾杯しようぜー」
「…何にだ」
何にだろ。
「とりあえず、お疲れー」
てなわけで、適当に決めてみたら納得したようで。
「かんぱーい」
よくわかんない、カオスになりそうな予感を抱きつつ。
鍋パーティー開催です。
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