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03
 



「千世ー、土鍋二個出してー」
「わんっ」



 さすがに土鍋一個じゃ間に合わない気がするんだよ。呼んだの俺だけど。
 後に集まる人達を思うと、自然と顔が緩む。だってめっちゃ面白そうじゃん。
 こんなこと中々ないし、出来なかったし。


 買ってきた野菜やら魚、肉をぶつ切りにしながら、大きめの皿に乗せていく。
 土鍋のひとつに魚、ひとつに肉で離さないとねー。一緒にするとよろしくないから。俺が。

 ぶつ切り野菜を乗せた皿は、千世がラップを掛けて、冷蔵庫に保管。
 冷蔵庫が無駄にデカイから役に立つよね。











「っしゃ、準備完了ー」
「かんりょーう」


 十三人の予定だから勝手にテーブルとソファーを動かして長めのテーブルにガスコンロを二つ、皿を多めに置いとく。

 時計を見れば、もうすぐ来てもおかしくない時間。
 量が量だから一人と一匹じゃ結構時間かかるな。いや二人か。千世も一応人間なんで。



「千鳥呼んで来るから待ってて」
「えー…」
「待っ、て、て」
「…わん」



 しょんぼりする千世をいい子いい子して、千鳥の部屋へゴー。




「……千鳥?」



 とりあえず最低限のマナーとして、ドアをノックしてからゆっくり開ける。



「なんだ、終わったのか」
「うん、そっちは?」



 問題ないようだから緩んだ顔をそのままに、デスクに向かう。

 千鳥の部屋はすごくシンプル。
 必要最低限の物しかない、モノクロの家具しかない部屋。小さい薄型テレビとかソファーとかあるけど。ベッドも広いけど。
 観葉植物とか、前は無かった気がする。



「一通りな。後はやらせる」
「そーなんだ」



 ノートパソコンを閉じて、かけていた銀フレームの眼鏡を外した千鳥。
 もっと見たかったのに。
 千鳥はそんなに視力が良い方じゃないから、仕事の時は眼鏡が多い。眼鏡だとまた違った凄まじい色気がある。

 隣に行けば、千鳥はイスをずらして俺の両脇を掴んだと思えば持ち上げられ、膝の上に乗せられ向かい合う形に。
 綺麗な顔が近い。
 そしてちゃっかり首に腕を回してる俺。



「千鳥?」
「許可したんだから癒せ」



 はっきり告げられ、どうしたらいいか分からなくなってたら顎を掴まれて若干開いてた口を塞がれて舌が差し込まれる。
 びっくりして目を細める千鳥と目が合う。
 やばい。色気が。



 


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あきゅろす。
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