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 若干声高めにしてみた。
 可愛くとか無理だし俺可愛くねぇし言葉浮かばないし。

 しかし俺はナメてた。
 脳内フィルターかかってる千鳥をナメてたよ。



「二人っきりなら満足させてやるよ」
「いや違うから」
「ダメ!睦月まんぞくさせるのオレ!」
「いやお前も違うから」



 いきなり身を乗り出したと思えば、頬に手を添えられて色気たっぷりの顔で言われた。
 つうか千世まで対抗せんでよい!

 まあ、とりあえず違うよね。
 受け取る方向性間違ってますよね?

 ファミレスで何かましてんだ。
 聞こえてたっぽい通りすがりの女性客が小さく叫んでたんだけど。
 顔赤かったんだけど。え、なにこれ。



「……チッ、しょうがねぇな」



 座りなおした千鳥が溜息と舌打ちをしながら言って。



「やたー!千鳥愛してるっ」
「知ってる」
「うわきもの!」
「えぇ…!?」
「ハッ」



 いつ俺浮気した!?
 つうかいつそんな言葉覚えたの千世!
 そこにびっくりだよ俺は!


 何だかんだで鍋パーティーの許可がおりたので。夜メールしとこーっと。



「千鳥いつ休み?」
「四日後」
「近い!」



 思わず即ツッコミしてしまった。
 じゃあ明々後日の夜でいっか。
 そう聞けば千鳥も承諾してくれたので、鍋パーティーは明々後日に。俺も休みだし。

 楽しみだなー。



「にやけんなよ」
「あり、顔に出てた?」
「かなりな」
「ぅへー」
「…なんだお前」



 いやそこは笑い方キモいって突っ込んでください。
 なんか恥ずかしいじゃん。

 日程も決まったので、残りのご飯も食べて。イイカンジに満腹ー。



「おかわりするから千世ちょっとどいてー」
「オレいってくる!なにがいい?」
「え、マジでー?さんきゅー」



 主人想いの良い犬だ。
 緑茶を頼んで、コップを託す。
 ぶんぶん振られてる尻尾の幻が見えた。



「……はー…」
「どったの」
「明後日を考えると憂鬱なんだよ」
「あぁ、」



 まあ確実に千鳥ん家でやる気だし、夜通し騒がしくなるよね。



「次の日休みだから癒してあげる!」
「なんでもすんのか?」
「………」



 その『何でも』がヤバそうで安易に返事出来ないんだけど、どうなのオニイサマ。


 


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