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04
 



 ご飯食べて、お腹満たされて。
 精神も満たされようと愛犬とイチャイチャしてたら、がちゃん、と玄関の鍵が開く音がした。
 それより先に千世が反応してたから別に驚かない。



「おかえりダーリン!」
「ただいまハニー」



 玄関まで意味なく小走りして抱き着けば、背後で千世がむっとしてる気がした。
 いつものことです。

 スーツだったから控えめに抱き着いたのに、しっかり腰をホールドされた。



「寝てりゃ良かったのに」
「うん?」



 時刻は深夜近い11時過ぎ。
 リビングに向かう千鳥について歩く俺とその俺についてくる千世。
 なんだこれ。



「出迎えいらなかった…?」
「……バカか」



 ちょっと落ち込み気味になって俯いたら、くしゃりと髪を撫でられて。
 見上げたら、甘すぎる微笑みの千鳥。
 背中には千世が引っ付いてる。
 サンドイッチされてる?



「嬉しいに決まってんだろ」
「……ふふー」



 ついつい嬉しくなって、キモい笑い方して抱き着いた。
 頭上からの、可愛いな、なんて言葉はきっと空耳さ。



「お風呂沸かしといたー」
「サンキュ」



 着替えるだろうと思って身を離したら、顎をくいっと上げられてそのままキスされた。



「あっ!ダメ!睦月とのちゅーはオレだけーっ!」
「ぐふっ」



 受け入れ体勢でちゅーしてたら、思いっきり千世に引っぺがされて思わず声が出た。
 ちょ、別にいーじゃん。
 さっき唇赤くなるくらいキスしまくってきたくせに!



「チッ、邪魔すんなよ駄犬。捨て犬にすんぞ」
「オレは睦月の犬だもん!」



 ぎゅうぎゅう抱きしめる千世の必死さに思わず苦笑する。
 千鳥は本気が八割だろーな。
 俺が捨てない限り捨て犬にはならないから大丈夫だって。住むとこはまあ、アレだけど。



「後でシメる」
「まけないもん」



 いやいやお前、千鳥に勝った事ねーじゃん。

 度々繰り広げられる、何でもありなプロレス。それを見てるのが結構好きだったりする。
 仕事から帰ってきたのに元気だよねぇ。
 てか明日も仕事じゃなかったけ。


 まあ、千鳥は仕事に支障がありそうならやんないから基本的にあんまり気にしないんだけど。
 それがあった事がないんだけども。
 しっかりやっちゃってますけども。


 


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あきゅろす。
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