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「そうだん?」
「はい」



 神妙な面持ちでコップを見つめてる諒くん。
 あ、姓で呼ばなくなったのは本人からの希望です。


 てゆか、親切に何でも相談に乗ってくれるらしい従姉のお姉様とか親友がいるって聞いてたんだけど、なんで俺?



「あの、引かないでほしいんすけど」
「滅多な事じゃ引かないよ?」
「……」



 黙っちゃったよ。
 え、てことは滅多な事なのか?気になるんだけど。



「…二年に上がってから少しずつ絡むようになったクラスメートがいるんですけど」
「ふむ」



 諒くんの学校は共学だ。
 だから男女どちらか分からない。



「最初は向こうが、俺に纏わり付いてくるというかなんつーか、絡んで来る感じで」
「うん」



 諒くんが言うには。

 二年の始業式から数日後、数名の男の先輩に屋上に呼び出された事から始まったらしい。
 なんで呼び出されたかは言わなかったけど。気になるけど、なるべく気にしないようにしとく。

 で、その屋上に、クラスメートの瀬戸って男子生徒がいたらしく。
 つか男子なんだ。
 纏わり付いてくるとか絡んで来るのが男子なんだ。
 まあそこは置いといて。

 その男子生徒は外見から不良で、授業もよくサボるらしく。
 喧嘩も強く怖面だから近寄るヤツもいない、そんなヤツが、屋上に呼び出し喰らった諒くんを見ていたらしく。



「……その先輩倒した後に、そいつがタンクみたいな場所から下りてきて、なんか変な言いが掛かりってか逆ギレされて、」
「……ちょ、ちょいまち聞いてもよい?」
「はい?」



 何でもなかったように言ったけどさ。



「倒したの?」
「はい。後々柔道部にいる先輩だって聞いたんすけど。六人くらいだった」
「……見た目に反して強いんだ」
「いや、うーん…」



 正直びっくりしたよ俺。
 いつの間にか俺の横に来てた泉もびっくりしてるよ。
 こて、と首を傾げた諒くん。



「俺に喧嘩教えてくれた人がいたんで、それが役に立ったんじゃないっすかね」
「……へえ」
「お前、チームとか入ってんの?」



 ちょ、ド直球に聞くなバカ泉。
 びっくりしてんじゃん諒くん。
 俺も気になったんだけどさ。


 


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あきゅろす。
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