07
「どうせお前の事だから、面白くしようと近付くんだろ」
「興味があればねー」
分かってらっしゃる。
まあ興味ないんだけど。
現れない宣言みたいなのしちゃってるし、まあ、どうにでもなるんだけどね。
「お前になんかあったら俺がドヤされんだからな」
「なんかって?」
「誘拐、監禁、強制猥褻」
「……」
いや、うん。
誘拐とか監禁はあったから、なんとなく頷けるんだけどさ。最後が気になる。
「やったら未遂でも殺す」
「発言が物騒だよ」
「俺以外でもな。実際そうするわけじゃねーよ」
「………?」
わけがわからず首を傾げたら、にやりと笑う千鳥。そんな笑みもカッコイイとか。
「社会的に殺す」
「…えげつない」
ぞくっとしたよ、ぞくっと。
本当にやりそうだから。
社会的に抹殺なんて軽々と出来ちゃうほど、千鳥には力がある。千鳥に限らないんだけど。
たった一人の高校生を社会的に抹殺するくらい、寝てても出来るくらいに。
実際にやるかは別として。
やりそうだけど。
何のために力を持つ立場にいるのか、解るのは自分だけ。それをどう使おうと、千鳥の立場は変わらない。
「たかが高校生。俺がなんかするほどでもねーんだけど」
「?」
「そうなったらなったで、確実に俺は個人的に手を出す」
「……おぉ…」
何かを企むような笑顔が素敵過ぎるよ。
「オレも、袋だたきにする」
「……」
やる気満々だな、千世。
いやイイんだけどさ、袋叩きくらいなら。ただ千世は常人離れしてるから本気出したら色々ヤバいんだよね。
殺人とかの犯罪が意味を成さない事を教えてあるからそこまでしないんだろうけど、確実に病院から長期間出られなくなるよ。
まだ何もされてないがご愁傷様だ。
「勝手にやんないでね」
「ちゃんと立ち会わせてやるよ」
色気垂れ流しな千鳥が、これまた色気たっぷりな笑顔で言った。
…とりあえず、美形にサンドイッチされる事に慣れたらダメだと思った。
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