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04
 



「…何でここなんだか」



 はあ、とわざとらしい溜息と共に言えば、拗ねてふさぎ込んでた慧がのっそりと顔をあげる。目が合う。



「だーかーらー、むっちゃんに会いた」
「睦月に確実に会えるのがココだったからですよ」



 爽やかスマイルも素敵ですね、まーくん。
 遮れた慧がまたふさぎ込んだぞ。キノコ生えんじゃないか、あのジメジメ感。

 いわゆる腹黒まーくんこと誠は、素でも敬語。
 癖なんだとか。
 ちなみに腹黒さが1番発揮されるのが寝起きの時らしい。
 情報元は寒色ブラザーズです。情報屋だもんね、寒色ブラザーズ。


 蓮さんが作ったであろう同じドリアを寒色ブラザーズは同じ食べ方スピード、そして残量も同じ。
 え、なんなの寒色ブラザーズ。
 双子にしては似すぎじゃない?



「睦月も」
「僕らと同じ学校に」
「「来れば良かったのにねぇ」」
「いや無理だから。お前らの学校、名門私立の東ヶ丘じゃん」



 綺麗にハモったとこ悪いけど。
 多分そこまで俺、頭良くないよ。



「謙遜ですね。そんな睦月も好きです」
「さりげなく告ってんなよ誠」
「なぁに言っちゃてんのー?三年間学年トップの俺より頭良いく、せ、に!」
「……は?」



 一瞬空気が固まった。
 因みに、……は?って言ったのは翔太郎であって俺じゃない。

 俺は、あの東ヶ丘で三年間トップを独走してる慧にびっくりしたよ。
 ふざけてるくせに出来ちゃう感じ。色々と残念な男前だ。



「そんな情報」
「どこで拾ったの」
「教えましぇん」



 迫る双子と慧が言い合いしてるのを見てたら、誠が少し身を乗り出した。



「誰に教養を?」
「千鳥だけど」
「あっさり言うなしー!」



 いや隠す事じゃありませんから。
 ぶっちゃけ、千鳥だけじゃなくて焔紀にも色々教わりました。ほんっと、色々と。


 いつだったか千鳥とパソコンでネットサーフィンしてたら、ハッキングは犯罪だからって言われたその直後にハッキング教わったのは良い思い出です。

 千鳥の取得分野、未知なんだよね。
 知らないことあんの?って聞いたら超笑顔で、睦月の身体、とか言われた事がある。
 それから聞かなくなりました。
 教えてあげる!とか言ったら実行される上に俺喰われるから。
 いやまじで。


 


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