03
「だからって来んな」
「えー、むっちゃん冷たっ」
ひっどーい、とか何とか喚いてる慧をスルーして一先ず買い出ししてきたものを冷蔵庫にしまわなければ。
因みに、カウンターに座ってる四人と慧は小学校からの幼なじみだ。
今現在、慧を含む五人全員私立高校の生徒会役員らしい。
ちなみに会長は慧。
で、副会長は誠。素敵に腹黒王子様。
千春先輩と被るよ、誠。
つか大丈夫なのかコイツが会長で。
やってけんの?
絶対副会長がほとんどの仕事こなしてるでしょ。
「知り合いか?」
「……あぁ、はい。中学から一応」
「ふうン……」
学校ではないけどね。嘘はついてないよ。
興味なさ気な感じだけど、絶対慧が抱き着いて来た時のあの雰囲気は静かにキレてましたよね。
煙草吸ってくる、なんて言い残して蓮さんは裏に行っちゃいました。
「むっちゃん、なんで高校入らなかったのさ」
「めんどいから」
冷蔵庫に材料を詰め込んでる間に慧はカウンターに座って、むすーっとした顔で頬杖をついてた。
「睦月は茶髪も似合いますね」
「「まーくん抜け駆け禁止!」」
爽やか王子様的笑顔のまーくん。いや誠。
そこに突っ込む双子。さりげなくアピールすんなってか。
あんまり顔合わせる事無かった気がするんだけど、気のせいに思えてくるよこの人らと会話してると。
「翔太郎は完璧巻き添えだよねー」
「その呼び方すんなっつの。お前ほんっと他人事だよな」
知ってる知ってる。
短気な翔太郎くんは、五人の中では断トツ長身男前。
がっしりしてんの。筋肉すごいから。
身長だって190はあるよ。
これで生徒会書記らしい。この厳つい男前が書記。そんで毎回巻き込まれる側。ギャップの人。
翔太郎っていう名前がコンプレックスでフルで呼ぶとキレる。俺は呼ぶけどね!
「お前今バカにしたろ」
「してないしてない」
「「したした」」
だまらっしゃい!寒色ブラザーズ!
「俺のむっちゃんイジめちゃダメー!」
「誰が慧のですか、誰が」
「けー坊、」
「ちょーうざーい」
ちょー息ぴったりね。
双子はあだ名呼びするのが癖なのか好きなのか、慧はけー坊、誠はまーくん、翔太郎は翔ちんって呼んでる。
時々変わるけど。
つか慧完全に拗ねたよ。
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