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ふんふふーん。
ご機嫌な千世と手を繋いで、パンフレット見て調べた教室へと歩く。
いやー、やっぱ目を引くよね。
千鳥と千世にがっつりがつがつ。
「いらっしゃいませー」
「そこのカップル!寄ってかない?」
「おいしいランチいかがですかー」
三階の並び、手間から一組二組三組。
お化け屋敷、喫茶店、ホストクラブ。
この並びが異様だと思ったのは俺だけ?
お化け屋敷の看板はそれなりな雰囲気で、仮装した生徒が呼び込みしてる。
乙女的男子が魔女、ガタイの良い背の高い男子が吸血鬼。宿敵じゃね?え、違う?
一番奥の看板は、きらびやか。
高校生なのにホストクラブの許可が出た事に俺はびっくりだよ。
三年だからか。三年だから許可したのか。根拠はないです。
表に泉はいないから、接客担当だろう。
あの容姿でナンバーワン以下だったら笑う。
「いらっしゃ、」
「泉いるか?」
「え、あ、はいっ」
呼び込みであろうスーツ着た生徒が、千鳥に怯んでます。
私服センス抜群にあれだけの容姿。息を飲む人もいるからね。
「ちょ、ちょっとお待ちを…」
言葉がごちゃまぜだ。
動揺し過ぎじゃない?俺は慣れてるからかな。
日々会えばドアップ確実だしね。
今は無表情だけど、拗ねたり笑ったりいやらしい笑顔する千鳥は、ぶっちゃけマジでやばいです。
楽しんでる千鳥。
てゆか、隣の千世と俺はスルーされたよ。入っていいんじゃね?ダメ?
なんて思ってたら、教室のドアが勢い良く開けられた。
うるさいんですけど。
「……えっ、ち、千鳥さん?」
「よぉ、ホスト」
「うわッ、なんで睦月まで…!」
「やっほー」
「ほー」
最後だけ繰り返すうちの犬、可愛くない?
千世の存在に一番驚いてるよ、泉。
【黒猫】以外に懐かないからね【銀狼】は。俺と手を繋いでますけど。ちゃっかりしっかり恋人繋ぎですけど。
「なんで知ってんスか」
「こいつに誘われた」
指差すなし。
ぴっと人差し指でさされた俺は泉と目が合って、にっかり笑ってみる。
「チケットは?」
「俺がやったんよ」
「……」
「……」
「……」
どっきりびっくり、いつの間にか後ろに飛鳥ちゃんがいました。
あれ?ひとり?
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