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短編集(~2019)
05
 


「ゆーずっ」
「……」


 人がうとうとと情事後の気持ち良い余韻に浸っていた時に、メイは俺の体を手繰り寄せて抱き着く。

 散々弄られて、前戯だけで二回イかされて、もう本っ当に散々になった。
 なんかもう、よくわからん。


「ユズ、好き。愛してる」
「……知ってる」
「ユズは?俺が好き?」
「……うっさい」
「……!……えへへ」


 向かい合って抱き着かれて、一瞬離れて人の顔をまじまじと見たあとで、さらに強く抱きしめられた。
 なぜって?
 俺の顔が真っ赤だろうからだ。


「んん、抱き心地が相変わらず良いな」
「、なんだそれ」
「ユズを独り占め」
「……馬鹿か」


 頬を擦り寄せて、嬉しそうにメイは笑う。

 男二人、素っ裸で布団の中で抱き合うってのは、同性愛を理解出来ない人間からすれば多分きっと潔癖で。
 報われない、非生産的な愛を、それでも向かい合って現実視してる。


 メイは、子供とか云々よりも俺と一緒に生きてそして死んでいく事を望んでる。
 別に俺は子孫繁栄をしたいとは思ってないけど、メイは一人っ子。

 親はどう見てるんだろうと。
 むしろ知っているんだろうかと。
 一度それを聞いた事があったけどメイには父親しかおらず、その父親から、好きなようにすればいいと言われたって返事が返ってきたのを思い出す。


 父親としてどうなんだ、とか思ったさもちろん。
 けど、俺は多分きっと離れられない気がする。
 大切な存在を自覚するのはいつも失った後だと言う。

 俺は一度離れた。
 そしたら気づいた。
 気づいちゃったんだ。




 
END
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つんでれ?

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あきゅろす。
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