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短編集(~2019)
04
 


 部屋に入るなり目に飛び込んだ光景。
 それは以前目にした事がある、デジャヴュというやつだ。
 初対面じゃないだけマシか…。


 俺は様子を伺いながらベッドの端に立つ。


「おはようございます、慶秀(ケイシュウ)さん」


 この人に挨拶を忘れたら大変なことになったトラウマみたいなものがある俺は、背筋を伸ばして声を出す。
 慶秀、という名前である事は本人から聞いた。
 もちろん別人格である慶秀さんから。


 俺を見た慶秀さんは、驚いたように目を瞬かせて、にこりと笑顔を浮かべる。
 見た目は宗夜だから可愛い。

 だがしかし見た目に騙されてはいけない、特にこんな時は。


「おお、立夏殿!おはようでござる、久方ぶりじゃな!」
「…そうですね」


 歴史好きな人なら萌えるだろうか。
 この言葉使いと見た目とのギャップとか、嬉しそうに笑う可愛さと紳士的なかっこよさとか。
 慶秀さんと対面するのは三度目だ。
 中々レアな瞬間である。


「今日は出掛ける予定があるんで、迎えに来たんですよ」
「さふや、されば参ろう。慣れぬ、こが時代が着物装にて準備は出来てる」
「……はい」


 未だに理解出来ない言葉はあるけど、大抵の言葉は把握してる。
 武士の時代の言葉なんて、まともに歴史勉強してなくても中々知ることは出来ないし。


 宗夜の私服はお兄さん系だから着やすいし、性格がきっちりしてるから前日に用意してあったんだろう。
 迷うことはあったんだろうけど。


 立ち上がった慶秀さんと一緒に部屋から出て、宗夜のお母さんに挨拶して家を出た。

 さて、今日はどんな異様な光景が見れるか。
 出来ればあんまり見たくない。
 慶秀さんと出掛けると、過去二度ともいい感じに異様だった。

 
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武士用語で頑張って書きます。


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あきゅろす。
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